はじめまして!科学コミュニケーターの清水裕士です。
これから桜の季節を迎える場所もあるようですが、未来館のある東京お台場では、木々の新緑がまぶしいほどです。
そう、「みどり」の季節です!
みなさん、お気づきでしょうか?
今年の「みどりの学術賞」受賞者が、すでに発表されているんです!!!
「みどりの学術賞」とは、植物や森林、造園など、「みどり」に関する研究・開発をして、大きな功績をあげた方に授与される賞で、今年で12回目になります。例年お二人の方が受賞されていて、お一人は森林や緑地、自然保護などの分野の方、もう一人は植物の体内で起きている現象やメカニズムなどの分野の方です。
※もっと詳しく知りたい方は、こちらのブログ もご覧ください。
今年受賞されたのは、
東京大学名誉教授、兵庫県立淡路景観園芸学校名誉学長
熊谷洋一(くまがいよういち)先生
そして、
東京大学大学院農学生命科学研究科教授
篠崎和子(しのざきかずこ)先生
です!
受賞理由は、熊谷先生は「自然環境の保全管理の基本となる景観影響評価方法論の構築と自然環境についての国民への理解と普及への貢献」に関する功績、篠崎先生は「植物の環境ストレス応答機構の解明と耐性作物の開発」に関する功績、です。
何やら難しそうですね。どういう内容なのでしょう?
ざっくり説明してみましょう。
熊谷先生の研究は、自然環境の「見た目」を具体的に評価・予測する方法を作り上げたことです。みなさん、初めて会う人に対して、「優しそうだな」とか「怖そうな人だな」とか、何らかの印象を感じますよね?同じように自然環境を見たときにも、「いいなぁ」とか「なんか嫌だな」とか、見た目から何かを感じるかと思います。でもそれって、私たちの心の中で感じること、主観的なものですよね。なぜそのように感じるのか、感じている良さはどの程度なのか、わざわざ説明したり、比較したりはしません。しかし、自然環境の保全や管理を行う上では、その見た目、つまり「景観」を考えることが重要なのです。その重要性を指摘し、客観的に評価する方法や、予測する方法を開発なさったのが、熊谷先生なのです!
一方の篠崎先生の研究は、私たち動物とは異なる、植物ならではのテーマと言えるでしょう。例えば暑かったり寒かったりしたときに、みなさんはどう対応していますか?動物であれば、日陰に移動するなど、場所を変えることがあるかと思います。しかし、植物は違います。暑いからと言って、場所を変えることはできません。他にも、乾燥や塩害など、周囲環境からストレスを受けても、植物はその場に留まっています。ではどうやって、そのような環境ストレスに耐えているのでしょう?その仕組みを明らかにし、さらに作物へと応用しているのが、篠崎先生のご研究なのです!
いかがですか?
がぜん興味が湧いてきませんか?
このブログを見ている画面の前で、前のめりになっていませんか?
もっと詳しく知りたい!という方のために、お二人の先生をお招きしたトークイベントを企画しました!
なんと、先生ご本人が、みなさまに研究内容とその意義をわかりやすくお話しくださいます。
さらには、お二人が同じ日にご講演する、記念講演会もありますよ!
・トークセッション「ついに見つけた!植物のストレス対応術!」
開催日時:2018年5月12日(土) 14:00~15:00
開催場所:日本科学未来館 5階 コ・スタジオ
講師:篠崎和子先生
参加費:入館料のみ
詳しくは→こちら
・トークセッション「"見た目"で変わる、自然環境の良し悪し」
開催日時:2018年6月24日(日) 14:00~15:00
開催場所:日本科学未来館 5階 コ・スタジオ
講師:熊谷洋一先生
参加費:入館料のみ
詳しくは→こちら
・「みどりの学術賞」受賞記念講演会
開催日時:2018年6月2日(土)13:30(13:00開場)~16:00
開催場所:日本科学未来館 7階 未来館ホール
講師:熊谷洋一先生、篠崎和子先生
参加費:無料(要申込み)
そして、受賞された先生方とともに「みどり」に関する活動を進めるべく、今年も「みどりの科学コミュニケーター」が内閣府より任命されました!!
1人目は、武田真梨子(たけだまりこ)です!
みどりの科学コミュニケーターになるのは、今年で4年目です。
2人目は、清水裕士(しみずゆうじ)です!
今年初めて、みどりの科学コミュニケーターに任命されました。初のみどり男性です!
この2人で、みなさまに「みどり」をお届けいたします。
今後の活動に、どうぞご期待ください!!