ご無沙汰いたしました。科学コミュニケーターの川崎です。
先月末、宮城県の女川町で開催した「星空教室」」[主催: 星空教室実行委員会(日本科学未来館,Charge the Future Project)、後援: 女川町教育委員会]についてちょっとした舞台裏の話を交えながらご紹介します。
「星空教室」って?
女川町で開催した「星空教室」は「灯り」と「つながり」がテーマ。こちらのHPから詳細レポートを見ることが出来ます。
日本科学未来館の記事
Charge the Future Projectオフィシャルホームページ *音が出ます!
(リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)
女川ライツ結成!!
星空教室を開催するにあたって私たちは「"みんなで"星空をつくる」というコンセプト、特に"みんなで"という点を大事にしました。みんなでつながり、力を合わせて、小さな灯りから大きな星空を作りたかったのです。"みんなで"という感覚を持てるような、良い案を探していたところで生まれたアイデアが、女川ライツの結成です。
女川町の小学校4年生のみなさんと先生方、そして私たちスタッフなど、その場にいる全員が同じ"みんなで"に加わるためにはチームの結成が理想的でした。
チーム名は「女川ライツ」です。"このチームで女川に光を灯そう、そしてこのチームは1日限りではない。これからもずっと女川の、そして日本の未来に光を灯すチームにしよう"という想いが込められています。
女川ライツの灯りはLEDライト
女川ライツの中で、私は星空をつくる小さな灯りを作るための案内役を担当しました。作ったものはLED(Light Emitting Diode: 発光ダイオード)を電池で光らせるLEDライトです。
電池をLEDにつないで出来上がり!?ではありません。そこは日本科学未来館。ひとクセ入れています。
本来なら1.5Vでは光らないLEDを乾電池1本(1.5V)で光らせる未来館特製のLEDライトを用意しました。種明かしをすると、電子回路で昇圧して光らせるようにするのです。(LEDは一定電圧を超えないと電気が流れず発光しません。)
そこには大きな挑戦があります。それは小学4年生に電子工作をしてもらったこと。直列つなぎ、並列つなぎを習ったばかりの小学4年生に対して、電子工作をしてもらう計画です。なかなか無謀な挑戦だと思いましたが、こんな便利アイテムがありました。
これはブレッドボードです。電子部品を差し込むだけの電子基盤。ハンダ付けいらず。*写真のブレッドボードは当日は使用していません。
これなら割合と簡単にできそうだ!ということで、6個の電子部品を決まった場所に差し込むとLEDが光る!というキットを用意していきました。
当日の結果は?
58名すべての参加者のLEDが光りました。大成功です。好奇心旺盛な生徒さんには既習だとか未習だとかは関係ないようです。小学校4年生のお子さんをもつみなさま、望むことは何でも教えてあげましょう。当館の科学コミュニケーターはいつでも準備ができています。
世界でただ1つ、自分だけの光
写真の特製アクリル製ケースは今回のために館内で余っていた材料を加工して1つ1つ組み立てたものです。このLEDライトは紐をつけて首から提げることもできて、なかなかかわいい出来上がりです。
当日はさらにこのLEDライトに生徒さんそれぞれにお絵かきをしてもらい、オリジナルのLEDライト「自分だけの光」を作ってもらいました。
ケースは完全オリジナル。さらにお絵かきも加わって、世界で1つだけの光を作ってもらいました。
そしてその夜...
女川ライツが、夜の女川町に光を灯したのです...(続く)
カワサキナオト the member of ONAGAWA Lights