タイ語で「こんにちは」という意味です! みなさんお元気ですか?
先日、タイの小学生4人を迎えたイベントが未来館で行われました。
さて、タイからの小さなお客様たちはなぜ日本にやってきたのでしょうか・・・。
タイは日本から飛行機で6時間、東南アジアに位置する国です。みなさんはタイというと何を思い浮かべますか?トムヤムクン?生春巻き?(食べ物ばかり・・・)
ちょっと真面目な話をしましょう。タイは自然豊かな国ですが、近年、伐採や山火事などによる森林減少に加え、洪水や土砂崩れなどの自然災害が問題になっています。
そこで取り組まれているのが「子供の森」計画!
その名の通り、地元の子供たちが植林や森での様々な教育活動を行い、地球環境や生物多様性の保全と、自然に対する子供の心の成長を支援していくプロジェクト。日本の公益財団法人オイスカが、タイだけではなく世界中の32カ国で展開しています。
今回来日したタイの小学生は現地で森づくり活動に参加しているメンバー。この活動の様子を紹介し、自国や世界の環境問題を日本の子供と一緒に考えるため、遠路はるばる日本にやってきました!
森の役割、森の問題
世界の各地で森づくり活動がすすめられているのは、まさに私たち人間にとって森が大切な存在だからです。森という生態系が健全に機能していれば、土砂崩れや洪水を防ぐなど自然災害から環境を守ってくれます。また森はいろんな生物がすむ場所になっていて、生物多様性の維持にも貢献します。さまざまな樹齢の植物が育つことで、CO2の吸収量も多くなり地球温暖化を食い止める一助になります。
これ以外にも、森は多彩な「めぐみ」を私たちに与えてくれます。たとえば、山菜やきのこなど森で採れる食べ物もたくさんあります。物質的な恵みだけでなく、癒やしや心の安定といった心のめぐみもあります。自然の中でのんびり過ごしたり、レクレーションをしたりすると、心身共にリフレッシュしますよね。
そんな森に、いま起こっている問題。一つに、人里に近くこれまで人間に利用されてきた森が、近年になって活用されなくなり放置されたために荒れていることが挙げられます。特に日本では、繁殖力の強い竹が勢力を広げて竹やぶが拡大していることが問題視されていますね。森が荒れていくとその働きが弱くなり、自然災害に脆弱になったり、生物の多様性が失われてきたり・・・。
森はただ放っておくだけではダメで、人間が適度に手を加えてあげることで、その豊かさを維持することができるのです。
未来の森へ
では、私たちはこれから森をどう守っていけばいいの? 未来の森はどんな姿?
今回のワークショップでは集大成として、未来の森への想いを一人ひとりがイラストで表現しました。
参加者それぞれが○年後の未来を設定し、画用紙の中にユニークな森をつくり上げました。
子供たちが描いた未来の森を、日本とタイから1枚ずつ紹介しましょう。
まずコチラは日本の男の子の作品。
右上の文字にご注目下さい。
「一家に家 + 森5つぼ」
家庭ごとに森の一部を割り振り、好きに使ってもらおうというアイデア!
このイラストでは、日々サラリーマンとして暮らす人が、週末ごとに「マイ・森」へと通う様子が描かれています。
どうです、自分の森を持てたら森に愛着が沸きますよね! 森にもっと足を運んで、森を活用し、自発的に森を豊かに守っていこうと思えるのではないでしょうか。
では、タイからは女の子が描いたコチラ!
左に描かれているのは子供たちが苗を植えている様子。その苗がやがておいしい果実をたわわに実らせた大木へと成長し、豊かな森が広がっていく!
まさにタイで行われている植林活動が、将来こうして実を結ぶのでしょう。
森の活用
世界の森林分布を見ると、日本は本当に緑が豊かなことに気づかされます。その森がどんどんと失われたり、荒れていったりすれば、私たちの暮らしにも影響があるはずです
これから、森を守るためにできること。
私からの提案は「森を利用しながら守る!」
化石燃料の代わりに自然のめぐみを利用できないの?(植物から作るプラスチック!)
荒れた竹やぶをどうにかしないと!(竹製品や竹材の積極的利用!)
森に人を呼び込もう!(森林レンジャーが活躍!)
タイの活動に知恵を得て、みなさんも森の大切さを考え、未来の森を思い描いてみてください。
追伸:イベントを終えて帰国したタイの4人から、お礼とともに当日の感想が届きました。
●インさん(12)
タイの友達にも森や技術について勉強したこと、日本のことを伝えたいと思います。
●プリアオさん(11)
タイに戻ったら家や村が緑に囲まれるように木をたくさん植えていきたいです。
●ジャッグくん(11)
タイでももっと植林を呼びかけて大きな森をつくっていきたいです。
●モスくん(12)
タイの友達に日本のすばらしい森について教えたいと思います。
タイや世界の子供による森づくりの様子は「子供の森」計画ホームページから。(リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)