みなさん、こんにちは。
おしりを拭く紙はシングル?それともダブル?
おかげさまで企画展「トイレ?行っトイレ!」は連日大盛況。
会場内には様々なトイレが並んでいます。
こんなのや
こんなトイレ。
はたまた、こんな巨大なトイレまで
しかし!これらのトイレに共通して欠けている重要なものがあります。
それは紙 です。トイレ展のトイレには紙がありません。(展示だからね)
おしりを拭くために開発された、特殊な紙「トイレットペーパー」。今回はこのトイレットペーパーに注目してみたいと思います。
トイレットペーパーとティッシュペーパーには大きな違いがあります。
それは、水に溶けるか、溶けないか。ではその違いは目に見えるのでしょうか?
電子顕微鏡で拡大してみましょう。今回見てみたのは、こちら。
企画展キャラのトイレットペーパーと街を歩いててもらったティッシュペーパー
さて、違いはあるのでしょうか?
こちらトイレットペーパー
こちらティッシュペーパー
もじゃもじゃ絡まってみえるのが紙の繊維です。
が。
...あまり大きな違いはなさそうです。
じゃあこっちは?新人科学コミュニケーターの古澤が入手したアフリカのトイレットペーパー!
すごくピンク。手作りのような味わい深さがあります。
拡大したものがこちら。
多少繊維のばらつきがあったり、粒状のものが写っていたりしますが、特に大きな違いはなさそうです。
じゃあ、トイレットペーパーとティッシュペーパーの差ってなんなのーー!!
と思っていたら。同僚の志水がこんな事を教えてくれました。
「ティッシュが水に溶けなくて、トイレットペーパーが水に溶けるのは、ティッシュに増強剤(接着剤)を入れてあるからだそうです」
なるほど!
本来、紙は水にとけるもの。植物の繊維だけで紙をつくると水素結合というつながりかたをしているため、水にぬれるとほどけてしまいます。
でも文字を書いたり、鼻をかんだりするだけで溶けてしまうような紙は困ります。そこで私たちの身の回りにある紙の多くは増強剤を入れ、破れにくく、溶けにくくしてあるのです。
トイレットペーパーは、水洗トイレ、すなわち下水システムのために作られた増強剤をつかわず、わざと水に溶けやすいままにしている紙です。もし増強剤のついた紙をトイレに流したら、あっという間に詰まってしまい、下水道というすばらしいシステムが使えなくなります。
そう考えると、排泄物をどうするのかというトイレ問題と共に、おしりを拭く紙も進化していくのでしょう。
たとえば、水で流さず、細菌の力を借りてその場でうんちを分解するコンポストトイレ。コンポストトイレに適した紙は、細菌を活性化させるような素材でできているかもしれません。
未来のトイレと、そのとき人類が何でおしりを拭いているのか、ぜひいろいろと想像してみてください。
それでは明日もいいうんちがでますように!
さようなら。
★未来館のFacebookにて「今週のベストうんち!」も行っています。企画展で平日開催している"うんちワークショップ"で来館者が粘土で作ったうんちの批評をしています。ブログのうんち成分が足りないと感じた方はこちらも是非ごらんください!