3月3日は桃の節句、ひなまつりでしたね。そして来る3月8日は「国際女性の日」です。日本では、ひなまつりを中心に3月1日~3月8日を「女性の健康週間」 (リンクは削除されました)として定め、女性の健康に関する啓発が行われています。
女性のからだは、女性ホルモンの影響を受けながら常に変動しています。
こころも、からだも大きな波・小さな波にゆられながら
それぞれの世代を、日々の人生を、生きています。
なかには男性で「オレ女じゃないからわからないし・・・」という人もいるかもしれません。例えば、奥さんや、お母さん、同僚や友人といった身近な人のことを思い出してみてください。「最近、調子が悪そうだな」とか「なぜ、そんなにイライラするんだ!」と思った経験はありませんか。
女性ホルモンのバランスは、妊娠・出産にはもちろん、美容そして、心身の健康に大きく影響します。そこで、これまでに未来館で行われたイベントから、産婦人科医の先生をお招きした2つのサイエンティスト・トークをご紹介したいと思います。
2013年9月22日実施 サイエンティスト・トーク
「妊娠を科学する!―生命を生み出すしくみとその限界―」
講師:見尾 保幸 氏 (ミオ・ファティリティ・クリニック院長)
イベントHP:https://www.miraikan.jst.go.jp/event/1308191713910.html (リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)
妊娠の成立、出産に至ることがいかに奇跡的であるか。それを知ったとき、性別や世代を問わず、多くの人が感動していたことがとても印象的なイベントでした。また、同時に、現代社会を象徴する晩婚化、晩産化といった傾向が、いかに妊娠をする上でハードルとなっているかを痛感するお話でもありました。
関連リンク
・マイナビニュース「妊娠を科学する! - 男も知っておくべき高齢出産時代の妊娠のための基礎知識」 (リンクは削除されました)
・科学コミュニケーターブログ:9月22日、あなたも目撃!「奇跡の積み重ね」 (リンクは削除されました)
2014年8月2日実施 サイエンティスト・トーク
『女性100人に1人!意外と知らない「早発閉経」 ~私と、家族のために、今知っておきたいこと~』
講師:河村 和弘 氏(聖マリアンナ医科大学)
イベントHP:https://www.miraikan.jst.go.jp/event/1407151617017.html (リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)
まだまだ認知度の低い「早発閉経」を主題としたイベントですが、その前提として、女性ホルモンと生理周期、妊娠のプロセス、そして一般的な不妊治療のステップなどについても広くお話いただきました。参加者の方から「2人目不妊」というキーワードが挙げられたことも印象に残っています。初産年齢が高齢化していることが背景にあるのかもしれません。もし早発閉経だった場合には、妊娠できる期間が短くなることで、望む人数を出産できないことも考えられます。
《関連リンク》
・科学コミュニケーターブログ:女性100人に1人!意外と知らない「早発閉経」 (リンクは削除されました)
・科研費NEWS:「早発閉経の新たな不妊治療法の開発」 (リンクは削除されました)
今日からできる「女性ならではの、自分のからだの知り方」
まずは「基礎体温」をつけましょう、とよく言われます。私も耳にタコができるほど言われましたが、なかなか続かない・・・。口のなかに体温計をくわえたまま二度寝してしまう・・・。(最近は、数秒で測れる優れた婦人体温計に助けられています。)特に妊娠を意識する以前は、他人事のように思っていました。しかし、妊娠を経験した友人のコメントで「めんどくさい」が「たのしみ」に変わりました。
「毎日測っていると、グラフが本当に低温期と高温期の大きな波があって、0.1度刻みの体温で、自分の状態がみえてくるから、記録をつけるのが楽しくなってくるよ。」
そうか、おもしろいのか!自分のからだの中で起きている変化を、自分で捉えられることは。
日本産婦人科学会編著の「女と男のディクショナリ―」によると、月経(生理)と月経の間がひとつ周期で、1周期は25日~28日が通常とされています。この1周期のあいだに、ホルモンバランスの変化や排卵が起こります。ちなみに、「排卵日には基礎体温が下がる」というのは間違いだそうです。「毎日でなくてもいいので、まずは2ヶ月つけてみる」ことが推奨されています。4~6ヶ月記録することで、自分の排卵日が傾向として見えてくるようです。
そこで、ついに私も基礎体温をつけ始めたのですが、いきなり1ヶ月目に衝撃的な結果が・・・。
「自分は健康、何の問題もないだろう」と思っていたのですが、下図(右上)のように、ガタガタだったのです。そこで、基礎体温表を手に、婦人科で内診を受け、卵巣の状態を確認したところ、無排卵だったことがわかりました。ショックでしたが、異変に気づくことができたのでよかったと思っています。
不妊の原因も、排卵がうまくいかない場合、卵管に問題がある場合、子宮に問題がある場合など様々ですが、疑いがある場合も、2~3ヶ月分の基礎体温をもって、パートナーと受診することが勧められています。まだ基礎体温をつけたことのない人は、このブログをきっかけに始めてもらえたら嬉しいです。
詳しくはぜひこちらの参考文献をご覧ください:女と男のディクショナリー(日本産科婦人科学会編著) (リンクは削除されました)