こんにちは!
突然ですが、みなさん、
「シロアリ」のイメージを教えてください。
![](/images/20150312_takeda_01.png)
なるほど・・・
世の中の人にはあまり良いイメージを持たれていないシロアリですが、
実は!!
地球にとってなくてはならない大切な存在なのです!
そこで、シロアリのことをもっと知るために!
先日、飼育員の大渕と猟師見習いの武田の生き物好きコンビが、
クラブMiraikan会員の方達と、シロアリ解剖観察 (リンクは削除されました)を行いました!
イベントには、シロアリ研究者として、
東京工業大学より木原久美子先生をお迎えし、
シロアリの詳しい生態について教えていただきました。
![](/images/20150312_takeda_02.jpg)
今回のイベントでは、シロアリを外から観察するだけでなく、
シロアリを解剖し、腸内観察もおこないました。
シロアリは体長12mm程度のオオシロアリと、
5mm程度のヤマトシロアリを解剖しました。
この作業がなかなか細かいのですが・・・
(シロアリのお尻から腸を取り出すという作業があります。)
参加者のみなさんは、とても器用に腸を取り出していました。
![](/images/20150312_takeda_03.jpg)
![](/images/20150312_takeda_04.jpg)
(※上2つの写真は日本最大のシロアリ、オオシロアリです。)
そして、取り出した腸の中を観察してみると・・・・
!!!????
何かが勢いよく飛び出してきました!!!!
さらに、倍率を上げていきます・・・
動画提供:早川昌志(神戸大学理学研究科・洲崎研究室にて撮影)
小さな生き物(微生物)たちが沢山!!
(※写真はヤマトシロアリの腸内)(画像は削除されました)
この微生物たちは、シロアリのお腹の中でくらし、
シロアリが食べたものを消化しているのです!
シロアリは自力では食べた木の材などを分解できないので
この微生物たちがいないと、
シロアリは食べ物を消化できずに死んでしまいます・・
さらに驚きなのは、
この微生物の中にももっと小さな生き物(細菌)がいることです。
そう。まるでマトリョーシカみたいですよね。
![](/assets_c/2020/06/20150312_takeda_06-thumb-800xauto-6463.png)
このように、シロアリの体は
生き物同士の共生(つながり)によって支えられています。
そしてこのつながり、
シロアリの内側だけでなく、外側でもみられます。
例えば、森の中で枯れた木はシロアリによって分解され土になり、
土は木を育むためのベースをつくり、枯れて再びシロアリに分解されます。
わたしたちのくらす地球では、大小関係なく、
色んな場所でこのような生き物と生き物のつながりがあり、
私たち人間も、このつながりのなかでくらしているのです。
さて、イベントの最後、
参加者のみなさんにはアンケートに回答していただいたのですが、
そこには、われわれ生き物好きコンビ(大渕・武田)にとって、
とても嬉しいご意見がみられました。
![](/images/20150312_takeda_05.png)
他にも、
「普段はできないような実験(解剖)ができて良かった!」
「イベントを通して地球環境への考えを深めることができた!」
などなど...
予想以上の反響があり、もとても参考になるご意見をたくさん頂きました。
私たちが今回シロアリを通して伝えたかった、
生き物同士の共生(つながり)が、
参加者の方々と共有できた気がしてとても嬉しかったです。
また今回、生命現象が絡み合って行われている現場を観察するために、
生きた状態のシロアリを実験の対象にしています。
毎日多くの命によって支えられている暮らしの中で、
"生きている"ってどういうことなのか、
ふと立ち止まって考えるきっかけとして、
これからも、このようなイベントを企画していきたいと思います。
生き物好きなあなたも、そうじゃないあなたも!
みなさまの積極的なご参加、お待ちしております!!
シロアリ解剖観察実験
日程: 2015年2月11日(水・祝)
参加対象:高校生から大人のクラブMiraikan会員
詳細:おとなのためのシロアリ解剖観察 ~ヒトにとっての害虫は、地球にとっての益虫?~ (リンクは削除されました)
日程: 2015年2月21日(土)
参加対象:小学4年生以上のクラブMiraikan会員
時間: 各回とも13:30~15:00
詳細: シロアリ解剖観察 for キッズ ~実はいいムシ?シロアリのお仕事~ (リンクは削除されました)
講師紹介
木原久美子(東京工業大学・研究員、理化学研究所・客員研究員)
理学博士。生き物が生きている状態に存在する普遍的な原理を解明したい!という大目的へ向かって研究を行っている。現在は「共生進化」をテーマに、シロアリやその腸内共生微生物と向き合い、フィールド・実験室・情報処理の3本柱を使い、大切な仲間達に心技体を支え(鍛え)られながら、日々是前進中。研究と平行し、科学雑誌へのサイエンス記事の執筆や、日本全国各地にてサイエンスイベント「水と森のモリモリサイエンス」・「マトリョーシカフェ」を実施中。