「未来を体験! ロボット・ハウスキーパー」イベント報告

あなたの家の家事、ロボットに任せたい?

突然ですが、クイズです。ここはどこでしょうか?

一見、ふつうのお家の中のように見えますが……?

実はこれ、ある実証実験のために、未来館1階コミュニケーションロビーに特別に設置された「お部屋」なのです!

実は、実証実験のために未来館に特別につくられた「お部屋」でした!

実証実験とは、新しい技術やサービスを社会に実装する前に、実際に近い環境でそれらを試し、技術的な課題を検証したり、多くの人からフィードバックを得て改善につなげたりする取り組みです。このブログでは、先ほどの「お部屋」の中で行われていた実証実験について、ご紹介したいと思います。

ロボットによる家事代行サービスを体験!

2026年3月18日(水)~3月31日(火)、ロボットの家事代行サービスを体験できるイベント「未来を体験! ロボット・ハウスキーパー」を開催しました。パイロットの遠隔操作で動くロボットが部屋の中を片づけたり、物を運んだりする様子を間近で見ていただき、ロボットとともに暮らす未来を想像していただきました。

「お部屋」の中で活躍していたのは、トヨタ自動車未来創生センターのヒューマン・サポート・ロボット(HSR)です。人の生活を支援することを目的に開発されたロボットで、家庭での活躍も期待されています。洗濯機や食洗機、お掃除ロボットなど、すでに家事を助ける機械は広く使われていますが、HSRはより幅広い家事に対応できる可能性をもっているのです。

家庭での活躍が期待されるヒューマン・サポート・ロボット(HSR)。テーブルの上のアプリから家事を指示できます

ただし、今回未来館で家事を実演してくれたのは、いろいろな家事ができるように特訓中の見習いロボット。パイロットの遠隔操作により動いていますが、得意なこともあれば、まだちょっと苦手なこともあります。多くの人に安心して、快適に使ってもらえるロボットへと成長すべく、頑張っている最中です。

洗濯物をとりこもうとするHSR。うまくできるでしょうか?

この実証実験では、期間中210組、500名以上の来館者のみなさんに「審査員」となっていただき、お部屋の中でのロボットの働きぶりを評価してもらいました。

HSRに、自分の家の家事を任せてみたい?

体験に参加した「審査員」のみなさんには、ロボットの動作の安全性や正確性、すばやさ、安心感などをはじめ、さまざまな面から具体的な意見をいただきました。そして、実際に「自分の家でHSRに家事を任せてみたいか」について、次の4段階で最終評価をしていただきました。

・A判定    :合格!毎日お願いしたい!
・B判定    :家事によっては、お願いしてみたいかも?
・C判定    :悪くはないけど、ちょっと不安かな?
・F判定    :いまはまだ任せられない。もっと頑張って!

果たして、その結果は……?

3月18日~3月21日の集計結果。人によって感じ方はそれぞれですね

積極的に利用したいという声がある一方で、不安を感じる人もおり、評価は分かれる結果となりました。ロボットの家事に対する感じ方は人によって異なるようですね。

もし、ロボットが多様な家事をこなせるようになれば、私たちの生活はより便利になるはずです。特定の家事に特化したロボットと異なり、柔軟にさまざまな家事をこなしてくれれば、私たちがやらなければならないこともますます少なくなっていきます。また、現在は遠隔操作で動いているロボットも、将来的に自動化が進めば、時間を問わず家事を依頼できるようになり、人には頼みにくいことも気軽に任せられるようになるかもしれません。

一方で、実用化に向けた課題も見えてきました。たとえば、移動中に家具にぶつかってしまったり、物を落としてしまったりする場面もあり、安全性に不安を感じる人もいます。1つの家事に人より時間がかかることもあり、効率の面でもまだ十分とはいえません。それから、現在はパイロットによる遠隔操作で動いており、ロボットにカメラやマイクが搭載されていることから、部屋の中を誰かに見られていることが気になってしまう人もいるかもしれません。

このような観点に加え、そもそも「ロボットと暮らすこと」を私たちがどう受け止めるのかも重要です。大きさや音が気になることから抵抗感を感じる人もいれば、ロボットとコミュニケーションをとることを楽しむ人もいます。

実際に、「審査員」のみなさんからはさまざまな視点からの意見が寄せられました。その一部をご紹介します。

“ 普段の家事は、人間の方が早くできると思いますが、 動けない時や、話し相手がほしいとき、孤独感を和らげる存在として、適していると思いました。とても親しみがわきました。”

“ 遠隔で操作してもらうことになるので、どこまでプライバシーに配慮してもらえるのか不安がありました。ただ、高齢になった時にはむしろ安心につながる面があるかもしれません。”

“ 洗たく物を取り込むのはできていたけど、洗たく機を回したり、料理をしたりといった、より器用さが求められる家事については不安を感じました。”

研究者やエンジニアの視点と、実際に家庭で使うかもしれない利用者の視点は、必ずしも同じではありません。だからこそ、みなさんの率直な声が、今後の研究・開発にとって重要なヒントになるのです。

今回集められたフィードバックをもとに、更なる改善が加えられ、より安心できて使いやすいロボットへと進化していくことでしょう。

コップを丁寧に手渡しするHSR。お部屋の中でロボットと暮らすと、どんなふうに感じるでしょうか?

みなさんの意見や気づきが、未来をつくります!

ロボットが家事をしてくれる未来は、意外とすぐ近くまで来ているかもしれません。今回体験いただいた「審査員」のみなさんにも、実証実験を通して、家庭の中で働くロボットが現実的になりつつあることを実感していただけたのではないかと思います。

最先端の技術開発というと、研究者などでもない限り、自分とは関係ないのでは?と思ってしまいがちですが、将来、私たちも実際にその技術を使うことになるかもしれません。だからこそ、新しい技術やサービスを社会に導入していく際には、多くの人から技術を試している段階から意見をもらい、研究・開発に役立てていくことが重要なのです。
未来館の「未来をつくるラボ」では、今回のような実証実験や市民参加型研究などを通して、みなさんと最先端の研究・技術の橋渡しを行っています。今後も研究にふれる機会、実験に参加する機会をたくさん提供していきますので、ぜひ一緒に未来をつくっていきましょう!

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