トークセッション「日本で見つけた! 巨大隕石衝突の証拠」を10倍楽しむ!巨大隕石が落ちた三畳紀とは?

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来る1月13日、未来館5階コ・スタジオにて、トークセッション「日本で見つけた! 巨大隕石衝突の証拠」を開催します。約2億1500万年前、三畳紀とよばれる時代の末期、巨大隕石が地球に衝突しました。これを発見した研究者、千葉工業大学の佐藤峰南さんに直接お話を伺います。トークセッションでは、研究者本人が隕石衝突の証拠と、その発見の経緯についてたっぷりとお話しますが、ここではこのイベントの担当者である科学コミュニケーターの福井が、隕石が衝突したころの生き物について紹介します。

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三畳紀はどんな時代?

三畳紀は地質年代でいうと中生代の最初の紀。中生代と言えば、恐竜時代という印象をお持ちの方も多いかもしれません。ですがこの時代、恐竜は出現はしていたものの、地上の覇者とはとても言える状態ではありませんでした。恐竜が地上の覇者となるには次の時代、ジュラ紀を待たなければならなかったのです。

では、三畳紀はどんな時代だったのでしょうか。この時代、すべての大陸は一つに集まり、パンゲアと呼ばれる超大陸を形成していました。そしてパンゲアを取り巻く大洋パンサラッサと、パンゲアの内海テチス海が三畳紀の世界を形作っていました。パンゲアの内陸は乾燥化が進み、広大な砂漠が広がっていたと考えられています。気候は温暖で乾燥していた一方、酸素濃度は前の時代であるペルム紀後期の約30%から、20〜15%にまで低下していました(現在は約21%)。人間にとって酸素濃度の安全限界は18%なので、もしタイムマシンで三畳紀に行くことがあったら酸素マスクを忘れないようにしましょう。植物の主役はシダ植物や、裸子植物(イチョウ、ソテツの仲間や針葉樹)で、被子植物(キクやバラの仲間など、ほとんどの現代的な植物)はまだ登場していませんでした。

そしてこの時代、繁栄していた大型陸上動物は、おもに3つのグループ、すなわち単弓類、クルロタルシ類、そして恐竜類でした。恐竜以外のグループは初めて聞くという方も多いのではないでしょうか。

哺乳類の祖先、単弓類

単弓類は一つ前の時代、古生代ペルム紀に大繁栄したグループです。がっしりした身体をもち、多種多様な植物食動物や肉食動物がいました。そして何より私たち哺乳類の祖先を含むグループです。しかしペルム紀末の大絶滅(海洋生物の96%、陸上生物の69%が絶滅)に巻き込まれ、4つのグループだけが三畳紀まで生き延びました。三畳紀にはキノドンやリストロサウルスの仲間が再び繁栄を取り戻しますが、続くジュラ紀には2グループだけが辛うじて生き残り、最終的には哺乳類だけが恐竜の絶滅まで命脈を保つことになります。私見ですが、我々人間の先祖であるにも関わらず恐竜に比べて著しく人気がないのは、斜めに張り出した太い脚に象徴される鈍重なシルエットや、トカゲともケモノともつかない中途半端な体つきのせいではないでしょうか。しかしたとえ不格好でも我々のご先祖、もうすこし注目してあげてほしいものです。

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ワニの祖先、クルロタルシ類

衰退した単弓類に代わって三畳紀に繁栄したのが、現生ワニを含む爬虫類のグループ、クルロタルシ類です。現在生き残っているクルロタルシ類はワニの仲間だけですが、三畳紀には多様化し、大繁栄しました。鎧で身を守る植物食のアエトサウルスや、四本脚を横に張り出さず体の下にまっすぐ出して歩き、ティラノサウルスそっくりの顔つきの肉食性のサウロスクス、二本足で颯爽と走り、素人目には恐竜にしか見えないエフィギアなど、多様な生き物を生み出しました。続くジュラ紀には、ひれ足を持ち、完全に海洋生活に適応したグループも現れます。

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三畳紀のルーキー、恐竜

最後は皆様ご存知の恐竜です。三畳紀が始まったころ、まだ真の恐竜は存在せず、その祖先である「恐竜形類」が登場していました。代表的な恐竜形類であるプロロトダクティルスはイエネコ程度の大きさの爬虫類でした。三畳紀も末期になると大型の恐竜が登場し、体長6~7mの肉食恐竜フレングエリサウルスや、体長18mの植物食恐竜レッセムサウルスが闊歩していました。

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他にも、空には初めての自力で飛行する脊椎動物、翼竜が飛び回り、海にはイルカによく似た爬虫類、魚竜が繁栄を極めていました。しかし、三畳紀の地上は、最大勢力のクルロタルシ類、前時代の覇者である単弓類、新興勢力の恐竜類の三つ巴状態だったことが分かっています。

三つ巴の時代の終わり

この「三国時代」を終わらせたのが、約1億9960万年前に起きた、「三畳紀末の大量絶滅」でした。海洋生物が属のレベルで30%以上滅び、陸上ではクルロタルシ類と単弓類が大きく衰退して、続くジュラ紀の恐竜の繁栄につながりました。

しかし、いったい何が原因でこの大量絶滅が起きたのか、はっきりしたことは分かっていません。一説には大規模な火山噴火が気候変動をもたらしたためだと考えられています。また恐竜だけが大量絶滅をまぬがれた理由も全くの謎です。

そんな中、大量絶滅からさかのぼること1500万年の約2億1500万年前、巨大隕石の衝突があったことを明らかにしたのが、今回のトークセッションで登壇する佐藤峰南さんです。隕石はどこに落ちたのか、どうやってその証拠を見つけたのか、衝突後に何が起きたのか、そして大量絶滅との関係はあるのか、ディープなお話を伺いたいと思います。乞うご期待!


イベント概要

トークセッション「日本で見つけた! 巨大隕石衝突の証拠」

開催日時:2019年1月13日(日) (1)12:30~13:00 (2)15:30~16:00

開催場所:日本科学未来館 5階 コ・スタジオ

参加費:入館料のみ

参加方法:事前申し込み不要。 直接会場にお越し下さい。

https://www.miraikan.jst.go.jp/event/1812251323773.html