【3/8オンラインイベント】人とAIが協調することでがん医療の未来は変わる?

こんにちは。科学コミュニケーターの鎌田です。

本日は、3/8(日)に動画配信する【Miraikanフォーカス】「どう変わる!?がんとの向き合い方~人とAIでひらく新たな医療」について、少しだけご紹介したいと思います。

https://www.miraikan.jst.go.jp/event/2003081325434.html

*新型コロナウイルスへの感染予防のため、本イベントは会場での実施ではなく、オンラインでの開催となりました。ご自身の端末からオンライン上でトーク内容をご視聴いただきながら、コメント等をいただく、ニコニコ生放送での実施を予定しております。
メールアドレスを登録すれば、どなたでもコメント投稿ができますので、ぜひ、ご覧になり、ご意見やご質問をお寄せください。

ニコニコ生放送は下のURLからどうぞ
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv324605284

これは、新学術領域研究「システム癌新次元(がんシステムの新次元俯瞰と攻略)」と共催で行うもので、先日第1回のイベントが行われました。第1回のイベントの様子はこちらのブログでのご報告のほか、Youtubeでの公開や電子書籍化も予定しております。お楽しみに!

第2回として動画配信する今回は、最近注目が高いAI(人工知能)をテーマに実施します。

今や技術の進歩により、がんが遺伝子の変異によって引き起こされること、そしてどのような変異ががんの原因となっているのかが、分かる場合も多くなってきました。

また、一人一人のゲノム情報(全遺伝情報)も得られるようになってきました。そうなってくると、自分ががんになったときに、自分のがんにはどのような遺伝子変異があって、どのような治療薬が効きやすいのかが、分かってくるようになるでしょう。

ですが...。

これだけ膨大な情報があっても、なかなか使いこなすことが大変です。

例えば、がんの遺伝子変異の情報。

がんの遺伝子変異の情報がまとまっているデータベースには、2018年までに2900万報の論文が登録されています。

これは、印刷して積み上げていくと、なんと富士山を超える高さにまでなってしまいます!

そして、こうしたデータの中から、医師が一つ一つ確認している、というのが現状なのです。

そうなると、これだけたくさんの情報の中から、自分のがんの変異の情報や、それに合う治療法をぴったり見つけ出すことって、なかなか難しそうに思えます。

これを可能にするような技術も、実は進歩してきているのです。

それは、スーパーコンピュータとAI。

これらの技術がどのように使われるのか、そしてこれからの医療はどのようになっていくのか、愛知県がんセンターシステム解析学分野 分野長、名古屋大学大学院医学系研究科 連携教授の山口類氏に当日お話いただきます。

そして、このように医療でAIが使われるようになってくると、今までには思いもよらなかった治療の選択肢が出てくる可能性もあります。

たとえば、日本で承認されていない、開発段階の治療薬が提案されたら、それを使う方法はあるのでしょうか。

実は、まったくないわけではありません。

その方法の一つが、すべての医薬品に対して行われる「治験」です。多くの人に医薬品が安全かつ効果的に使われるために、まずは限られた人に試してもらい、データを集めることを目的に行われます。

(実は私、鎌田は、治験に関係する業務を前職で行っておりました!治験について詳しく知りたい方は、ぜひ未来館で鎌田とお話ししましょう!)

ただ、治験に参加したいと思ったとしても、人数や体の状態など、参加には条件があるため、参加ができない可能性もあります。

もし治験に参加ができず、開発段階の薬を使いたいと思ったら、利用できる可能性のある制度があります。ただ、その制度は果たしてメリットばかりの制度なのでしょうか?

これについては、生命倫理などを研究している国立がん研究センター 社会と健康研究センター 生命倫理・医事法研究部 研究員の中田はる佳氏よりお話をいただきます。

(提供:山口類氏、中田はる佳氏)

果たしてAIが医療現場で使われるようになったとき、そこにはどんな未来が待っているのでしょうか。そのとき考えなければならなくなることとは、いったい何なのでしょうか。

当日は、研究者のお二人から情報提供をいただいた後、みなさまと一緒にこのような問題について考えていきたいと思います。

オンライン開催とはなりますが、ぜひみなさまの考えを聞かせてください!

Miraikanフォーカスについて

科学と社会にまつわる未来館注目のテーマ「Miraikanフォーカス」の関連イベントとして実施します。今年度は、人工知能とこれからの社会をテーマに、「ハロー!AI社会 人工知能ってナンなんだ? そういう私ってナンなんだ?」というタイトルのもと、各種イベントや展示を実施しています。詳細は下記のURLをご覧ください。

https://www.miraikan.jst.go.jp/aboutus/focus/

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