サイエンティスト・トーク:「電子部品に恋しちゃう♡ ~株式会社村田製作所 ロボット開発秘話~」実施報告

そもそもどういうきっかけでセイサク君を開発したんですか?

(図:自転車型ロボット「ムラタセイサク君®」)

という問いからスタートした8月4日のサイエンティスト・トーク。大人気ロボット「ムラタセイサク君」の開発に携わった株式会社村田製作所の吉川浩一さんから直接お話が聞けるということで多くの方が参加してくださいました。部屋の外にもいっぱいのお客様!

(図:サイエンティスト・トーク)

イベントは3部構成で、

① 「Part1開発物語」

② 「Part2開発者のこだわり」

③ 「教えて!吉川さん」

という流れ。順を追ってイベントを振り返ってみましょう。

Part1開発物語

このパートでは、吉川さんの解説を交えながら、セイサク君開発当時の貴重な動画をみることができました。床を走る、止まっても倒れない、平均台の上を走るなど今ではセイサク君が難なくこなしている技ですが、開発中にはバタバタと倒れていました。走行試験に臨むチームのみなさんも真剣そのもの。開発当時の緊張が伝わってきました。それと同時に伝わってきたのは、チームワークの良さです。

(図:セイサク君の開発物語)

そもそも、セイサク君の開発に許された期間はたった6カ月だったのだとか。限られた期間にチームで仕事を進める際に大切なこととして、チーム内のコミュニケーションを挙げておられました。感情的にならずに、①論理的に話をする②数字を明確にする、といった基本的なことを心がけたそうです。

チームでの仕事では、それぞれのメンバーが専門をもっています。このため、担当する仕事の範囲などに認識の違いが生じたり、理解の仕方に違いが出るなどの「専門性の壁」ということが課題になります。セイサク君開発チームに関してはお互いにフォローできて、まとまりの良いチームでしたとのこと。私の推測ですが、お互いの強み弱みを良く理解していたうえに、目標の共有もうまくできていたのではないでしょうか。

今回、開発にまつわる秘話も吉川さんからお話しいただきました。セイサク君の実物や動画を見たことのある方はご存じだと思いますが、セイサク君が動いたり止まったりするときには、胸で円盤がぐるぐる回っています。これが、バランスをとって倒れずにいるための工夫なのです。ですが、実は、開発当初はバランスをとる機構が「胸の円盤を回す機構」ではなかったそうです。(どんな機構であったかはこちらの動画でのお話しをご確認ください。)

https://www.youtube.com/watch?v=3aJDSekAWtM&feature=c4-overview&list=UUdBvq7IgL4U6u3CzeZaeoFg

(動画:サイエンティスト・トーク 「電子部品に恋しちゃう♡ ~株式会社村田製作所 ロボット開発秘話~」)

Part2開発者のこだわり

次のパートは吉川さんのセイサク君に対するこだわりを聞き出すコーナーでした。

セイサク君を「自転車にのる人型ロボット」と思っている方が多いと思いますが、本当は「自転車型ロボット」。自転車部分も含めてセイサク君なのです(みなさん、ご存じでした?)。学生のころから今現在に至るまでバイクが趣味という吉川さん。自転車部分のフォルムに対してのこだわりを伺うことができました。アクティブなイメージを再現するため、フロントフォークやリアのサスペンションなどマウンテンバイクの機構がとりいれられているそうです。

【Part2開発者のこだわり】後半については、次回のブログで引き続きご報告します。

イベント概要

サイエンティスト・トーク

「電子部品に恋しちゃう♡~株式会社村田製作所ロボット開発秘話~」

イベントアーカイブはこちら(リンクは削除されました)

イベントYouTube動画はこちら

開催日時:2013年8月4日(日) 13:30~14:30

開催場所:日本科学未来館 3階 実験工房DRY

参加者:58名

「テクノロジー」の記事一覧