突然ですが、みなさん今のお住まいや場所に満足していますか?
もっと広い部屋が欲しい!
四季の移り変わりを感じられる緑地が欲しい!
気軽に参加できる地域のお祭りがあるといい!
海に近いところがいい!!!
うーん…挙げればきりがない!
実はこれら、4月に沖縄から東京に引っ越してきたばかりの私、高橋の気持ち…(最後のでバレバレ)。
みなさんも少なからずご自分の家や街に良くなって欲しいところってあるのではないでしょうか。
「でも、すぐに引っ越すなんてムリムリ!」
「ましてや住みやすい家や街を新しく作るなんて自分の手に負えそうにない…。」
そうですよね…
去る9月14日(土)、そんな悩める私たちにぴったりな
住環境に関するサイエンティスト・トークを開催しました。
その名も「生活環境プロデューサーに聞く!将来の街づくり」
講師に生活環境プロデューサーの中崎隆司(なかさき たかし)さんをお招きし、
「街」「家」「生活スタイル」の3つのテーマで、
私たちにとって欠かせない住環境のお話をしていただきました。
ここではごく一部ですが、そのときの内容をご紹介します。
街が時代に合わなくなる!?
トークの中で、会場のお客様に「都市部」「郊外」「新興住宅地」の中から
住みたい街を聞いてみたところ、
「病院などのサービス施設を利用しやすい都市部がいい」
「子育てをするには郊外が良さそう」
「人も多すぎず計画的に作られた新興住宅地が安心・快適に暮らせそう」
じつに様々な理由がかえってきました。
どうやら私たちに「最適な家や街」というのは
年齢や家族構成など自分の状況が変わると同時に変化していくようですね。
でも、私たちの変化に応じていつも快適な住まいが用意されているかというと、
現実はそうではありません。
例えば、西新宿(東京都庁があるあたり)は1970年代に計画的に開発された都市です。
当時は最先端の街でした。
…そう、「当時は」。
1970年代の東京は、車社会がまだ途上にあったころ。
たくさんの地下駐車場に立体交差する道路、すべては車で移動することが前提に街が作られました。
当時としては未来を先取りしてつくられた街で、実際、そうした車社会は程なくして訪れました。
しかし、車の利用が減った「現在」では地下駐車場がガラガラ、歩行者がビル間を移動しにくい「時代に合わない街」になってきているそうです。
中崎さんはこのような街に「今ある何か」を加えて、観光・環境・スポーツで再生させる計画をしているとのことでした。
その一つとして、クリテリウム(市街地で行う自転車レース)を西新宿で開催し、街の価値を見直す活動をしているそうです。
この話だけだと「え?西新宿限定なの?」と思ってしまいますが、そういうわけではありません。
先日、2020年に東京でのオリンピック・パラリンピック開催が決まりました。
選手村から各施設は半径8キロ以内と、自転車で移動するのにちょうど良い距離だそうです。
そこで、中崎さんはこのオリンピックを機に東京全体、日本全体の都市を
自転車で利用しやすい街として変えることを重要視しているそうです。
私たちの状況は時とともに変化し、それに伴って欲求も無限に広がります。
その一方で私たちが使えるお金やスペース、材料といった資源は有限なものです。
有限な資源の中で無限に広がる欲求を満たしていくためには、
この西新宿の例のように今あるものを生かして「かしこく暮らす(使う)」ことが大切なのではないでしょうか。
今回のサイエンティスト・トークでは中崎さんから「かしこい暮らし方」を学べた気がします。
ここでは書ききれませんでしたが、
トークの中では
都市の中の隠されたスペースのお話や
新しい住民と元からいる住民の交流方法、
街全体を使って趣味の部屋を無理なく手に入れる方法など
「そんな暮らし方があるのか!」と思うような目からウロコの話題がたくさんありました。
「詳しく知りたい!!」
という方はぜひ当日の動画をご覧ください!
■イベント概要
サイエンティスト・トーク
「生活環境プロデューサーに聞く!将来の街づくり」
イベントアーカイブはこちら (リンクは削除されました)
開催日時:2013年9月14日(土)15:00~16:00
開催場所:日本科学未来館 3階 実験工房
参加者数:30名