みなさんは「世界一」を意識したことがありますか?
「世界一のシェフになる!」「ノーベル賞をとりたい!」
…それは簡単なことではないけれど、
「自分のオリンピックで金メダルを取るんだ!」という気持ちが大事。
この前の夏に新型ロケット「イプシロン」の打ち上げを成功させたJAXAの森田泰弘さんは、そう語ってくれました。
12月7日に、未来館1階で始まった企画展「THE世界一展」のオープニング・トーク。イプシロンロケットのプロジェクトマネージャー森田さんを未来館にお招きしました。
イプシロンは日本の新型ロケット。今年9月14日に打ち上げが成功しました。
どのあたりが新型なのか?
打ち上げシステムが大きく変わりました。
新しいシステムの特徴は、ロケット自身が自己点検してしまう人工知能。これによって、準備期間を短縮させ、さらに世界のどこからでも打ち上げられるようになっていきます。世界から不可能だと言われていた技術を、見事に成功させたのです。世界初の試みです。
そしてイプシロンで使われている固体燃料も、日本がゼロから研究を始めて、世界一になった技術。
森田さん自身もその日本「オリジナル」な部分に魅力を感じていました。
「世界一」の技術に、「世界一」の技術を加えたら…
それはぶっちぎりの世界一!!
「いずれは、飛行機が空を自由に飛んでいるように、イプシロンも宇宙に飛んで行けるようになりたい」。
森田さんの挑戦はまだ始まったばかり。これからも世界一を目指し続けます。
そんな森田さんが世界一を意識したのは、中学生の時。
日本男子バレーボールチームが、1972年のミュンヘンオリンピックで金メダルを取る!と宣言していて、本当に勝利をおさめました。
チームに森田さんと同じ中学校出身の選手がいました。
その選手は中学生の時に、先生に言ったそうです。
選手:「僕、オリンピックに出て金メダルを取りたいんだ」
先生:「オリンピックは出るだけでも大変なんだぞ。」
選手:「それでも取りたいんです。」
先生:「だったら本気で頑張れ」
…そうしてこの選手は、本当に金メダルを取ったわけです。
この話を聞いて、当時中学生だった森田さんは思いました。
「金メダルは取ろうと思えば、取れるんだ!必ずいつか自分のオリンピックを見つけて、金メダルを取るんだ!」
そして森田さんもロケットの分野で、金メダル級の成功を収めたのです。
イベント後もお客さまの質問に熱心に答えていただきました。
ある男の子は、風邪気味だったけど、あこがれの森田さんに絶対に会いたい!という一心で、駆けつけてくれました。
「イプシロンがこんなロケットだったとは知らなかった」
「これからの宇宙開発が楽しみ」
お客さまから、これからに期待する感想をたくさんいただきました。
この夏、イプシロンに燃えた私、みどりの本田。
全く未知の世界だったロケットにこんなにものめり込んだのは、
イプシロンが素晴らしかったからだけではありません。
森田さんをはじめとする、たくさんの研究者や技術者の想いに触れたから。
「日本という小さな国が世界一を目指すこと。
これはとても大変なことだけど、日本だからできる技術がある。」
さらに「技術や想いを継承していく力」もあるということ。
そういった日本の技術・秘められた想いを「THE世界一展」でもお伝えしています。
もちろんイプシロンも紹介しています。来年5月6日まで開催中です。
森田さんのトークイベントの内容はYouTubeにて公開していますので、ぜひご覧ください!
開催日時:2013年12月7日(土)14:30~15:30
イベント紹介はこちらのアーカイブページをご覧ください。 (リンクは削除されました)
開催場所:日本科学未来館 1階 シンボルゾーン
参加者数:300人
Ustream中継視聴者数:100名