今、全国の文化財に油のような液体がかけられる被害が広がっていることはご存じでしょうか。
いたずら、宗教的儀式の一つ、など様々なことが言われていますが、国宝や重要文化財など大切な文化財が故意に傷つけられていることは事実です。これ以上、被害が続かず、早急に「誰によって」「なぜ」そのようなことがされたのか解明されることを願ってやみません。
さて、油のような液体をかけられたものを含め、文化財は修復され、また保存されていく存在です。
修復、保存と言うけれど、どうやって残すのでしょうか。
なぜ残すのでしょうか。
そもそも、文化財ってどんなものなのでしょうか。
そんな疑問に応えるイベントが3月末に行われました。
題して「おとなのリアルラボ@東京藝術大学-過去と未来をつなぐ文化財保存と科学-」。
今日はどんなイベントだったのかを簡単にご紹介したいと思います。
イベントが行われたのは東京で桜が満開に近い姿を見せていた3月28日。
東京上野にある、東京藝術大学文化財保存学専攻保存科学研究室を、クラブMiraikanの会員のみなさまと一緒に訪問しました。
イベントのタイトル通り、高校生以上の「おとな」の方15名にご参加いただきました。
暖かな日差しのもと出迎えてくださったのは桐野文良教授、稲葉政満教授、大野直志教育助手、正保五月教育助手の4名の先生。
イベントは、桐野先生による講義「保存科学入門」からスタートします。
浮世絵の色、陶器の釉薬、小判の表面の色、と「色を見る」ことを軸に、文化財を保存するために必要な「材料を科学的に分析する」ことをご紹介していただきました。
先生の講義を聴いた後は、実際に使われている機器を使って、文化財の色を見る体験へ。
文化財を様々な機器で「見る」ことを体験。先生に質問したり議論したりしている参加者の方もいました。
そして先生方の研究室の中へ潜入!
普段、先生方が使っている機器を見せていただいたり、実際に触らせていただいたりしました。
最後は、先生方を囲んでディスカッション!
このディスカッションがとっても濃いものだったのです...
というわけで、写真はたくさんお見せしましたが、みなさん不完全燃焼でしょう?(にやり)
どうやって保存するの?どうして保存するの?文化財って何??
最初の疑問には何もお答えしておりません。
というわけで、一緒にイベントを作った同僚武田と私で、イベントの詳細をシリーズで報告します!
まずは講義の内容と体験についてです。武田さーん!よろしくー!!!