未来館のプログラム、館外でご活用いただいております

未来館では、科学コミュニケータ―が館内で実施しているプログラムの資料を、希望者に無料で提供しています。

おかげさまで、これまでに100名以上の方から申請をいただき、スライド資料などを提供してきました。

利用者に実践事例を伺ったところ、学校、病院、企業、市民活動など多様な場でお使いいただいたことがわかりました。

科学の視点から社会について考え語り合う活動をもっと当たり前に──。未来館の外でご活躍の"潜在的な科学コミュニケータ―"の皆さんを応援し、社会のあらゆる場面で科学コミュニケーション活動が行われようにしたい。そんな思いで取り組んでいる「未来館オープンコンテンツ事業」の現在をご紹介します。

未来館科学コミュニケータ―によるプログラム

未来館では、日々、来館者に対して科学コミュニケータ―が科学的な視点から対話をする「科学コミュニケーター・トーク」や「団体向けプログラム」などを提供しております。

「科学コミュニケーター・トーク(15分)」

一般来館者に対して、先端科学の魅力や私たちの暮らしとのかかわりを、わかりすくお届けするトーク。
科学コミュニケーターがそれぞれの持ち味を生かした話題を披露します。

「団体向けプログラム(30分~120分)」

団体来館者を対象に、科学技術の利用や科学が関わる社会課題などをテーマに議論するワークショップなどを実施。

未来館プログラムの提供

「科学コミュニケーター・トーク」や「団体向けプログラム」のうち一部について、使用しているスライドやワークシートなどの資料をご希望の方に無料で提供しております(提供プログラム一覧)(リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)。

2016年12月から開始したこちらの取り組みは、おかげさまでこれまでに100名を超える皆様から利用申請をいただきました(ありがとうございます!)。2018年12月までの申請状況を整理すると次のようになりました。

多くは、学校の先生方から授業での利用を想定して申請いただきました。一方で、科学館、民間企業、NPO、医療機関、学生の方々からも、市民向けイベントや研修会などでの活用に向けて申請いただきました。

未来館プログラムの活用事例

プログラムをご提供した方々にアンケートをお願いし、具体的にどのように活用したのかをお聞きしました。

その結果、最も多かったのは、学校の理科の授業での活用でした。小学校~大学の理科や科学の授業で先端科学トピックを簡単に紹介するときにご活用いただきました。

もちろん、理科の授業以外での活用例もありました。印象的だったものをいくつかご紹介します。

①高校の総合学習(ディベートの授業)
*スライドサンプル(リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)

「ヒト受精卵へのゲノム編集を社会として認めてよいか」をテーマに高校1年生が議論する学習(2時間)にて未来館プログラム「ヒト受精へのゲノム編集を考える」を利用していただきました。

②病院の職員向け啓発活動
*スライドサンプル(リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)

薬剤耐性(AMR)について、病院で働く職員に対する感染対策のレクチャーとして、未来館プログラム「スーパー細菌がやってくる!?」を活用いただきました。

*スライドサンプル(リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)

価値観の異なる人との対話をロールプレイ方式で体験する研修にて、「対話型ワークショップ『エネルギー』」を活用いただきました。

②市民団体による月食観察会

地域での科学コミュニケーション活動に取り組む団体が、2018年の皆既月食の際に実施した観察会でご活用いただきました。

その他、利用者の方からご共有いただいた事例やご感想はこちら(リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)で一部ご紹介しております。

その他、社会科や道徳の授業、市民向けイベント、講演会などでもご利用いただきました。

多様な場で生まれる科学コミュニケーションを応援したい

  1. 教育活動をする人の負担をやわらげる
    • 理科の授業、社会科や総合、道徳
    • インフォーマルな場での科学と社会を関連付けた学びの創出
  2. 教育活動をする人の負担をやわらげる
    • 実践者が授業を設計する際のコスト削減と質の向上に寄与
      (特に科学が関わる社会課題を扱った学習活動の難しさをやわらげた)
  3. 「編集利用OK」が大事
    • アレンジ可能な素材として提供することで,実施者が柔軟に教育活動を行うことを助ける可能性がある

科学館が、対象を来館者に限定せずにプログラムを広く提供することは、ひょっとすると、学校やその他インフォーマルな教育場面での効果的な科学コミュニケーションを促す仕組みとしての可能性を秘めているのかもしれません。

残念ながら、提供するプログラムの内容や普及展開の仕組みについては、まだ手探りの部分もあり、利用者の皆さまからご意見もいただいています。ひとつずつ改善しつつ、科学館の新たな価値を発揮できるよう取り組みたいと思います。社会のあらゆる場面で行われ得る科学コミュニケーション活動に、未来館プログラムが少しでもお役に立てれば嬉しいです。

皆さまの活動で未来館プログラムがお力になれることはないでしょうか。お問合せお待ちしております。

ご利用いただけるプログラムの一覧と申込み方法などに関しては、専用のページで紹介しております。

申込時には

①氏名、②所属、③E-mail、④利用希望スライド資料名、⑤利用目的

をお尋ねしています。詳細は、以下のページをご覧ください。

https://www.miraikan.jst.go.jp/guide/group/provision.html(リンクは削除されました。また、URLは無効な場合があります。)

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