今回は、7/10(金)にニコ生で動画配信する予定のオンラインイベント【Miraikanフォーカス】「AIに評価される時代がやってきた―そのとき、あなたはどうする?」について、ご紹介します。
あなたは人工知能(AI)に人生の大切な選択を任せることはできますか? 私たちの評価にAIを利用するようになった時代の可能性と問題点を一緒に考えるイベントです。
https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202003281241.html
*新型コロナウイルス感染症の感染予防と拡大防止のため、本トークセッションは、ご自身の端末からオンライン上でトーク内容をご視聴いただきながら、コメント等をいただくニコニコ生放送で実施します。メールアドレスを登録すれば、どなたでもコメント投稿ができますので、ぜひ、ご覧になり、ご意見やご質問をお寄せください。
ニコ生は下のURLからどうぞ
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv326664488
こんにちは、科学コミュニケーターの川崎です!
今回の【Miraikanフォーカス】は、「AIによる人の評価」がテーマです。
人工知能(AI)は、人と会話したり、将棋の相手をしたり、絵を描いたりと、できることを広げながら私たちの社会に浸透してきました。そして今、人の興味・関心の推定や、能力・職業適性などの評価にも使われ始めています。個人に合わせたサービスを提供したり、組織が効率的・合理的な決定ができたりすると期待されるためです。こうした技術は私たちの身近な場面でも使われています。
例えば、こんなことがありませんか?
ある日、スマホでウェブサイトを見ていると、広告が出ています。
その広告には、ちょうど欲しかったモノが紹介されています。
一度クリックすると、似たような広告が出てくるようになりました。
これは自分が欲しかったモノと広告が偶然マッチしたわけではありません。
AIがあなたの趣味や好みを推定し、あなたに合わせて自動的に広告を出しています。
アメリカではもっと色んな場面で使われています。いくつかご紹介します。
◇裁判
ウィンスコン州を含むいくつかの州では、刑事裁判で被告人にどれくらいの刑罰を科すかを裁判官が判断する際に、AIが評価した再犯の可能性を参考にしています。被告人の犯罪歴や雇用状況、教育レベル、家族の犯罪歴、信条など 130 以上の情報から再犯リスクを 10 段階で評価するAIです。
◇教育
ジョージア州立大学で、学生が進級できなかったり、中退したりするリスクをAIが評価し、リスクが高い学生には人間のアドバイザーが相談に乗ることで、卒業率の向上に役立てています。
これらは一例ですが、人のあらゆる側面の評価にAIを利用するようになってきました。一方で、こうしたAIをどう利用するかが問題にもなっています。日本では昨年、就活支援サイトが過去の学生のウェブ上の行動履歴等から、内定辞退率を予測し、学生に十分に説明することなく、企業に販売していたことが問題になりました。私たちが知らないところで勝手に内定辞退率が予測され、人事採用に使われていたら皆さんはどう感じますか? この技術が社会に受け入れられるためにはまだ課題が多そうです。
私たちの人生がAIの出した結果によって変わるかもしれない。だからこそ、私たち一人ひとりがこの技術をどう使っていくのかを考えていく必要があるのではないかと思います。
今回のトークセッションは2つのパートに分けて行います。
前半では、2人の研究者にご登壇いただきます。日本電気株式会社(NEC)シニアデータアナリストの本橋洋介氏に技術の観点からAIがどのように人を評価しているのかについて、また慶應義塾大学法科大学院教授の山本龍彦氏に法学の観点からAIが今まで以上に社会に浸透したときのリスクについて、それぞれお話をうかがいます。
後半では、科学技術の社会的影響を研究している東京大学未来ビジョン研究センター特任講師の江間有沙氏も加わっていただき、社会がAIによる評価をどう使っていけば良いか、そのとき私たちが考えるべきことは何かについて、皆さんと一緒に考えていきます。
果たして、AIによる評価が社会のさまざまな場面で使われるようになったとき、私たちはその評価を納得して受け入れることができるでしょうか? そもそも、私たちの人生の大切な選択をAIに任せてもよいのでしょうか?
皆さまのご視聴、コメントお待ちしております!!
【Miraikanフォーカスについて】
本トークセッションは、科学と社会にまつわる未来館注目のテーマ「Miraikanフォーカス」の関連企画です。日本科学未来館では人工知能とこれからの社会をテーマに、「ハロー!AI社会 人工知能ってナンなんだ? そういう私ってナンなんだ?」というタイトルのもと、各種イベントや展示を実施しています。詳細は下記のURLをご覧ください。