リニューアルしました!ASIMO実演

みなさんこんにちは。科学コミュニケーターのASIMO…ではなく、ASIMOに初恋をしたタイプの科学コミュニケーター、長島です。

未来館にはロボットの科学コミュニケーターと人間の科学コミュニケーターがいること、皆さんご存じでしたか?そして、ロボットの科学コミュニケーターASIMOの実演が、2/17にリニューアルしました!

今日はリニューアルしたASIMOの実演の見所と、そもそもASIMOってどんなロボットなのかを、ほんの少しだけ覗いていって下さいね。

ASIMO実演、リニューアルしました。

昨年20202月の臨時休館前までは、常設展示場3階がASIMOの場所でした。ですが、昨年2020年6月の再開館後は、皆さんに安全にお楽しみ頂けるよう、会場を1階に変更していました。感染症対策を考慮して、レイアウトとなったため、以前のASIMOをご存じの方には「だいぶ雰囲気が違うなぁ」と驚かれた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

2020年2月以前のASIMO実演の様子。たくさんのお客様に、床に座ってご覧頂いてました。
2020年6月の再開館後は1階シンボルゾーンで、このように椅子を準備して実演を行っていました。

そして、2/17ASIMOが常設展示場3階に戻ってきました!さらに、3階に戻ったASIMOは、これまでとはひと味違う姿をお見せします!

これまでのASIMO実演は、ボールを蹴ったり、片足でジャンプしながら進んだり(けんけんの動き)、と、ASIMOの出来ること、能力を中心にご紹介してきました。

今回、新しくお見せするのは「物を運ぶ」姿です。もともと私たち人間とともに暮らし、人間を手伝うことが出来る、人間のパートナーとなるロボットを目指して作られたASIMO。そんなASIMOが、カップをのせたトレイを運び、人に渡す姿をご覧になってください。そして、ASIMOを含めたロボットと私たち人間が一緒に歩んでいく未来を、ぜひ想像してみて下さい。

ASIMOって?

そもそもASIMOってどんなロボットなのでしょうか。皆さんは、ASIMOというロボットについて、どんなことができるロボットだと思いますか?

ASIMOは、自動車メーカーとして有名なHONDAが作った二足歩行ロボットです。私たち人間と同じように二本の足を持っていて、その足で歩くことができます。HONDAの研究開発チームでは、「人間の生活空間で、人間のサポートができるロボット」を作る、という目標を掲げて、ロボットの研究を行ってきました。私たちの、例えば家や職場、学校、お店、そういった場所には、階段などの段差もありますし、狭い場所もありますよね。そのため、タイヤではなく、「人間と同じように二本の足で歩くロボット」にこだわって、研究開発が行われてきたそうです。

ですが、この、「二本の足で歩く」ということが、ロボットにはとても難しいことでした。すこし研究の歴史を振り返ってみましょう。研究開発チームが最初に行ったのは、「人間はどうやって歩いているのか?」を調べることでした。チームメンバーに計測器を付けて、何度も何度も歩いてはデータをとっていたそうです。そして、足と腰だけというとてもシンプルな体をしたロボット「E0」が、1986年、誕生しました。

このE0というロボットは、確かに2本の足で歩くことができるのですが、一歩に5秒必要で、しかも人間とは違うぎこちない、「静歩行」という歩き方をするロボットでした。研究開発は続きます。人間と同じようななめらかな歩き方、「動歩行」ができるようになり、安定した姿勢で歩き、床の凹凸や斜面でも姿勢を保てるようになり──と研究開発が進むとともにだんだんとできることが増えていきます。

そして、1993年、胴体や手や頭をつけ、より人に近い形をしたロボット、「P1」が誕生しました。さらに、1996年には、ケーブルやコンピューターが体の中にしまわれた、人間型自立2足歩行ロボット「P2」が、世界に向けて発表されました。P2は、身長182 cm、体重210 kgで、無線操縦が可能なロボットです。台車を押すこともできるようになっていました。

そして、1997年、P2の次のロボットとして発表されたのが「P3」です。P2までは、「2本の足で歩く」「人間と同じように歩く」「人間に近い形のロボットを作る」「無線化する」、というような技術的な課題に挑戦してきたのですが、P3では、「人間社会になじむ」ことを目標に、ロボットの体を小さく軽くするという課題に挑戦しています。P3は身長160 cm、体重130 kg。見た目も、少し丸みを帯びて、人らしい大きさ、重さ、デザインになりました。

P3は、大人から見たら、きっとちょうどいい大きさだったのかもしれませんね。ですが、子どもにとってはどうでしょうか。私が初めてP3を見たのは2001年か2002年、小学校低学年の頃。そのときの感想は、「大きくて、怖い」でした。その直後に、ASIMOの第1世代か、第1.5世代を見る機会がありました。そのASIMOは、身長120 cm。その時見たASIMOに、私は夢中になってしまったのです。

ASIMOに夢中になっていた頃の筆者。今ではASIMO実演をする側になりました!2002年、ツインリンクもてぎにて撮影。

2000111日にデビューした第1世代のASIMOは、階段を上ったり下りたり、坂を歩いたりすることもできましたが、現在の第3世代(2011年発表)モデルと違って、ボールを蹴ったり手でトレイを運んだりすることはできませんでした。

デビューから20年の間に、ASIMOもさまざまなことができるようになりました。例えば、近寄ってくる人を認識して挨拶する、人と手を繋いで歩く、物を運んで手渡す、複数人が同時に話しかけても、声で人を識別し応答する──。いずれも、人間と一緒に生活することを目指す過程で搭載された能力です。また、走る速さも時速9 km10 m4秒で走れるようになりました。ゆっくり景色を楽しみながらジョギングするくらいのスピードですね。まっすぐ走るだけではなくて、カーブしながら走ることもできます。

そうはいっても、現在のASIMOは2011年に発表された第3世代モデル。この10年の間に、世界各地でたくさんのすごいロボットが誕生しています。「これが世界一のロボット」という見方だけではなく、「こういうロボットだったら、こういうときに役立つのではないかな」「こんなことをしてくれるロボットがいると、こういうときに助かるな」というような視点で、たくさんのロボットを、そして新しいASIMO実演を、ご覧になってみてください。

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