#Miraikanで考える生物多様性

わたしの「推しムシ」の話~みんなで語りあいたい推し○○~

こんにちは、科学コミュニケーターの片岡です!

「#Miraikanで考える生物多様性」企画ということで、片岡が好きな小さな生物、その中の推しムシを紹介したいと思います。

・・・・・・え? 生物多様性とどう関係するのかって?

いやいや、「こんな生き物がいるの!?」という、多様な種類の生物が存在していたことに感動し、それが転じて好きになった生物たちなのです。

つまり! 多種多様な生物がいてよかったな、おもしろいなと思った「超個人的な」生物多様性に関わるお話です! もちろん一般的な定義はありますし、学校の教科書には「生物多様性とは?」が載っているものもあるそうです。詳しくは、科学コミュニケーター大澤のブログ「生物多様性ってなんだっけ?~教科書読んでみた~」をご覧ください!

片岡は、土周辺で暮らしている「土壌動物」が特に好きです。その中で今回はイボトビムシ、カマアシムシ、エダヒゲムシ、を彼らの推しポイントと一緒に紹介したいと思います!

土壌動物のお話は、こちらのブログでも書いています。よろしければご覧ください!(科学コミュニケーター片岡のブログ「実は身近にかくれている多様な生き物たち」)

イボトビムシ

文字通り、身体がイボイボしているトビムシです。トビムシは、世界各地に様々な種類が生息しています。その多くが、お腹に「跳躍器(ちょうやくき)」というバネのような器官をもっていて、自分の身体を跳ねとばして天敵から逃げます。「跳ぶ」「ムシ」ということで、トビムシと呼ばれています。

 しかし、イボトビムシはジャンプして逃げるのではなく、枯れた木の隙間など、天敵が追ってこられない場所に隠れる方法をとる種類のため、跳躍器をもってないんです! トビムシなのにとべないんです。そんなところも愛らしい。

イボトビムシにも様々な種類があり色や大きさも様々ですが、今回は艶やかな朱色のイボトビムシを例に、推しポイントも書き出してみました。

イボトビムシの推しポイント(イラスト by 片岡)
体長:1.0~2.0mm
・森の中でも映える朱色
・全身もちもちボディ
・トビムシなのにとべない
・食べ物を吸って食べるおちょぼ口
カマアシムシ

全部で6本ある肢(あし)のうち前2本の肢を頭の近くまで上げている様子が、鎌を振りかざすようにしている姿に見えることからこの名前がついています。カマキリも鎌のような肢をもっていますね。カマキリの肢は獲物をつかまえるため、少し鋭いかたちをしています。ですが、カマアシムシの肢は使い方が違います。カマアシムシの前2本の肢には、感覚毛(かんかくもう)といって周りの様子を確認する事ができる特殊な毛がたくさん生えています。その肢を振りかざして、触角の代わりにしているんです。周囲をペタペタ触りながら、慎重に移動する姿がとても可愛らしい。

カマアシムシの推しポイント(イラスト by 片岡)
体長:1.0~2.0mm
・つやつや黄金色のボディ
・周りを注意深く探るようにひょこひょこ動く前あし
・大きな身体を支える小さなあし
・おちょぼ口
エダヒゲムシ

触角が枝分かれしている姿からこの名前がついています。エダヒゲムシは、先ほどのトビムシとカマアシムシとは異なり、足が9~11対あります(エダヒゲムシの種類によって異なります)。本数で言うと18~22本でしょうか。ダンゴムシより多くて、ムカデやヤスデより少ない感じです。こちらも特徴的な触角を盛んに動かしながら、周りの様子を確認する様子がとても可愛らしい。また、これはエダヒゲムシだけではありませんが、足が多い生物は足運びがとても美しいです。自分の足にひっかからないなんて、とても器用ですよね。

エダヒゲムシの推しポイント(イラスト by 片岡)
体長:0.4~2.0mm
・透明キラキラのクリアボディ
・やっぱりもちもち
・規則正しく動くあし
・常にピコピコ動く複数に分かれた触角

実は、片岡は小さい頃からずっとこういったムシが好きだったわけではありません。ただ、珍しいものや変わったものに興味をもつタイプでした。大学生のときに、これらの生物の存在を知って、「身近にこんな変わった生物がいるの!?」という感動があったわけです。そこから、いろいろ調べてみると、もっともっとたくさんの種類の生物が土の中や身近な自然に生息していたことを知りました。「見たことのない姿形の生物が身近にいる」これだけで、とてもワクワクします。もし同じ種類の生物しかいなければ、きっとこのワクワク感はなかったと思います。私にとっては、様々な生物が存在していることが楽しいんです。

生物が多種多様に存在している事は、他にも私たちに様々な恩恵をもたらしてくれます。ですが、みなさんにとって「超個人的」にはどんな良いことがありそうでしょうか?

みんなで語りあいたい推し○○

突然ですが、2050年までに「自然と共生する世界」を実現するという世界の目標があります。現在、人間活動が自然環境や生物に大きな影響をもたらしている中で、目標の世界を実現するために、私たちにできることはなんでしょうか?

「プラスチック商品を使わない」

「必要以上にエネルギーを使わない」

「二酸化炭素を排出しない」

などなど

「○○しない」ことが多いですね・・・

我慢をして達成する「自然と共生する世界」は、本当に「共生する世界」なのでしょうか?

片岡は、生物たちも私たちもいきいき暮らしていけるような未来がいいなと思います。それが、目標の「自然と共生する世界」であれば嬉しいですし、片岡の「推し未来像」でもあります。ですが、当たり前ですが未来は片岡だけでつくるわけではありません。

ぜひ、みなさんの自然環境や生物に対する「いいな」「好きだな」と思う推しポイントをだしあって、みんなの「推し未来像」を考えていきたいです。

未来館にお越しいただいたときには、お互いの推しをぜひ語りあいましょう。

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