2013年ノーベル賞を予想する!~化学賞その2~

みなさま!!

ノーベル賞発表が今年もやってきました。

私は今年も引き続きノーベル化学賞を全力で予想します!今年は新たに2名の科学コミュニケーター高橋と大渕の力強いメンバーが化学賞チーム加わり、切磋琢磨しながら受賞発表日に備えています。

田村真理子の予想するノーベル化学賞

受賞者 赤崎勇 先生

受賞テーマ 青色発光ダイオード

(イラスト:ぶっちーこと大渕)

赤崎先生の青色発光ダイオード(青色LED)の何がすごいのか?

実は青色LEDの前にすでに赤と緑のLEDが開発されていたのですが、青だけは発明するのが大変難しく多くの研究者は「不可能」として研究から撤退した人もいたほどです。それでも赤崎先生は努力を重ね、ついに実現したのです!!

LEDとは?

LEDという言葉は良く聞くものの、どんなものかご存じでしょうか?

LEDとは発光ダイオード(Light Emitting Diode)の頭文字をとったものです。半導体の一種で電気を直接光に代えることができるのです。それに対して白熱電球や蛍光灯はフィラメントに電気を流して光を出す反応によって光っています。そのためLEDは大変効率良く、また消費するエネルギーが少量で済みます。

白熱電球の寿命1000時間~2000時間、蛍光灯6000~12000時間に対しLEDは約40000時間とかなりの長寿命です。なんとLEDの照明器具は約8年もつそうです。

青色LED

青色LEDが発明される前に1960年代に赤・黄緑のLEDは発明されていたのです。ではなぜ青だけ困難とされていたのでしょうか?

LEDは半導体の一種です。その半導体の材料によって光の色が変わるのですが青に発光する材料がなかなか見つからなかったのです。しかし、赤崎先生は窒化ガリウムに注目し粘り強く研究を続けました。そんななか、ある事件が起こりました実験に用いていた炉の温度が上がらなくなってしまったのです。しかし、先生は温度が上がらないとトラブルを逆手にとり、温度を上げないで作成をしたところ大成功したということでした。

青色LEDが発明して実現したこと

青色LEDが発明されたことで光の三原色(赤・青・緑)が揃ったのです!この3色さえあれば地球上のどんな色でも発色させることができます。

図1  光の三原色

この三色は身近な物で確認することができます。さて下の写真は何かの拡大写真です。

何か分かりますか??

図 2 パソコン画面

これはパソコン画面を拡大した写真です。1つ1つの格子には3つの色が確認できます。この色のバランスで、全ての色を発色しているのです。格子の大きさによって見られないものもありますが、携帯の画面を含め、ほとんどの画面で確認することができます。

また、白色も発色できるので消費電力の少ない長寿命の照明としても使用することができます。3色のLEDで全ての色を発色することができるので、消費電力の少ないディスプレイとして利用されています。

実は未来館のシンボル展示Geo-Cosmos、現在は有機ELパネルが敷き詰められていますが、初代のGeo-CosmosはLEDでした。青色LEDができたからこそGeo Cosmosにも使うことができました。未来館だけでなく私たちの生活に使用され、将来の照明と期待されているLED。

今年ノーベル化学賞を受賞するかもしれません。ぜひ、みなさんご注目を!!

ノーベル化学賞の発表は10月9日(水)日本時間18時45分からです。お楽しみに!

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