みなさん、こんにちは。
今日もいいうんこ、でましたか?
それどころじゃないっ
という声も聞こえてきそうです。
現在関東近郊ではノロウイルスが猛威をふるっています。
ノロウイルス。感染すると下痢や嘔吐、腹痛などの症状がでますが、
その威力たるやすさまじいものがあります。
「ああ…ノロね…あれはつらいよ」
「トイレからでられなった…」
「子どもの嘔吐が止まらなくて、布団がダメになった」
ノロウイルスにかかったことのある人に話を聞くと、いろんなエピソードが出てきます。
完治すれば思い出話ですみますが、中には重症化する事もあります。また、感染力が強いため、一家みんなかかってしまい身動きできなくなってしまったというのもよく聞く話。
このノロウイルス、いったいどんなウイルスかというと…実はまだよくわかっていません。
患者のうんこや吐いたものから見つかることもわかっていますし、電子顕微鏡でウイルスの形もわかっています。また、ウイルスが自身をふやすために使うRNAという遺伝子をしらべて様々なタイプがあることもわかっていますが、
どうやって増えていくのか?
どうやって人から人にうつっていくのか?
決定的な証拠はまだつかめていません。
正体不明の菌やウイルスの正体を暴くためには、「その菌やウイルスだけ」を人工的にふやして、観察したり実験をしたりすることが不可欠です。
ところがノロウイルスの場合は、まだ「ノロウイルスだけ」を増やすことにまだ成功していないのです。相手がどんなやつかわからないと、予防するためのワクチンも特効薬もできません。
でも。未知のウイルス相手に戦う方法はあります。
私たちができること。それは「予防」と「対処療法」です。
まずは「予防」から。
ノロウイルスは患者の出したうんこや吐いたもの等を、健康な人が口にしてしまうことで感染すると考えられています。
「えーっ!うんこなんてたべないよ!!」
と思っているあなた。甘い。
ちょっと油断するとうんこは簡単に口に入ってしまいます。
その実験をやったのが長野県北信保健福祉事務所。
「下痢をしたときにどこまでうんこが飛び散るのか」
という実験です。
(トイレを起点とするノロウイルス汚染拡大の検証)
実験に使ったのは下痢便にみたてた青いインクの液体と、どこまで飛び散るのか目に見えるようにするための白いスーツ。
驚きの実験結果がこちらです。
和式トイレを使ったときのとびちりっぷり。
足にも、おしりにもしぶきが飛んでいます。
いつものようにバナナみたいな健康なうんこだったらこんな風にはならないでしょう。
でも、うんこが水みたいになると、あちこちにとびちってしまうのです。
洋式トイレだと、便座とおしりが密着するので、和式ほど広範囲に飛び散るわけではありませんが、
おしりにはとびちったあとが…。
とびちったものをそのままにしておくと、乾いて飛んで、うんことウイルスが口の中に…ということになります。
そして、うんこをしたあと。
みなさんおしりを紙でふきますよね。
そのあと、どれくらいうんこが手につくのかをテストしたのがこちら。
紙で拭いているつもりが、親指の付け根や袖口にもついてしまっています。
このまま簡単に指先だけを洗って外に出ると、手についたうんこがあちこちにつき、回り回って人の口の中にはいります。
さて、以上のことをふまえて、考えられる予防方法は次のどれでしょう?
①うんこをしない
②トイレをつかわない
③うんこしたあとに丁寧に手を洗う
①は論外です。うんこしないと病気になってしまいます。
前にも言いましたが、うんこの我慢はダメです。そっちの方が後々深刻な病気になる可能性があります。
下痢うんこがでるのは、体の中で悪さをするばい菌などを素早く外にだすための、体の防衛手段だと考えているお医者さんもいるくらいです。
うんこがまん、ダメ、ぜったい。…ノロにかかってしまうと我慢できるレベルではなくなりますが。
②はどうでしょうか? 確かに他人の菌がいっぱいいるかもしれないトイレ、不潔と感じるかもしれません。
でも、もしみんながトイレをつかわなくなったら、あなたはどこでうんこをしますか?そのへんの物陰でしちゃう?
健康な人のうんこも病気の人のうんこも街のあちこちに垂れ流しなってしまったら…それこそウイルスの思うつぼかもしれません。
いわば、街全体がトイレ。
ノロウイルスだけではなく、もっと深刻な病気が流行するかもしれません。
みんなが決まった場所「トイレ」でうんこをするのには、病気を封じ込めるという意味もあるのです。
答えはもちろん、③ですよね。
親指の付け根や指の間など、使ってないし、触ってないと思っている所にもウイルスや菌は潜んでいます。
水は菌やウイルスを殺すわけではありませんが、洗い流すことができます。
でももしあなたがきれいに手を洗っていても、他の人が洗ってなかったら?みんなが使うモノに触るとそこからまた菌が手についてしまいます。
「他の人の触ったモノには絶対触らない」
という自分のきまりを作ってもいいのですが、それで生活するのは大変です。
解決するのは…とてもかんたん。
「外から帰った後、ごはんを食べる前にはきれいに手をあらいましょう」
家の中に外からの菌をもちこまないこと。
体の中に手についた菌をいれないこと。
これを気をつければ、病気になる可能性はぐんとへります。
でも、それでもノロウイルスにやられてしまったら?
水分をしっかりとりましょう。
ノロウイルスの症状で深刻なのは下痢や嘔吐による脱水です。
生きるために必要な水分をちゃんと体の中に残しておくために、出てしまった分の水をちゃんととるということが大切です。
下痢や嘔吐でそぎ落とされていく水分と体力をしっかり補充して、体の抵抗力をつけることが大切なのです。
そして、実のところインフルエンザには発症後すぐに飲めば効く特効薬がありますが、ノロウイルスについてはこの特効薬はありません。
強いて言えば下痢止めかもしれませんが、下痢をとめてウイルスを体の中にとどめてしまう方が悪いという意見もあります。
お医者さんに行っても、
「水分補給をしっかりしてください」
といわれる事が多く、検査もしてくれないの!!と思う方も多いと思いますが
検査をしても、特効薬もなく、結果がわかる頃には症状が治まってしまう事が多いため、このような説明になってしまうのです。
いままでこのうんこブログでは、普段みないようにしているうんこに注目するといろんな事がわかるよということをお伝えしてきました。
でも、やっぱりうんこは体にいらないモノ、体によくないモノのかたまりです。
たとえ自分のうんこでもくさいと思うのは、危ないものに近寄らせまいという脳の働きによるものです。
うんこはたくさんの情報を隠し持っていますが、ちゃんと距離を保って適切につきあっていくことが大切なのです。
今年はノロウイルス大流行かもという予報がでています。
ノロウイルスと戦う方法については厚生労働省のホームページに詳しくでていますので、ぜひ参考にしてみてください。
厚生労働省
ノロウイルスに関するQ&A
それではあしたもいいうんこがでますように!
そしてノロにかかってしまった人は、はやくよくなりますように!
さようなら。