入院して「へえ~」

この夏に入院しました。

私ではなく、娘(入院中に一歳になりました)がです。それも2回‥。

笑ってる場合じゃないよ・・

娘には点滴などいろんな医療機器がつけられ、それらを看護師さん達がボタンでぽちぽち操作していました。

横で見ていながら、

「へえ~」

と思うことがたくさんありました。

いろんな医療機器の中でも私たち親に一番身近となったのが、娘の動脈血の酸素濃度を測る 「酸素濃度計」 です。

なぜ身近になったかというと、子供の足の親指にその酸素濃度計を付けているのですが、なんせ動き回るのですぐにとれてしまいます。その都度、私たちが付け直して、外れたら、また付けてというのを繰り返していたためです。この酸素濃度計の値が低くなると、酸素マスクをつけたりしてました。

酸素濃度計の使い方は、いたって簡単!

上の写真で赤く光っている部分を足の指に巻き付けるだけです。すると、下の写真のように動脈血の酸素濃度が最大値から何パーセントなのか表示されます。

はて、あんな赤い光のついたものを、足の指に巻き付けるだけで、血液の中の酸素濃度がどうやってわかるの???血液とらなくていいの??

(こんなんで本当にはかってるの?と私はつい思ってしまいました)

血液をとらずに酸素濃度がわかるわけ

どうやら血液に「光」を通すとわかっちゃうようです!へえ~。

酸素濃度計の赤く光っている部分からは、私たちには単なる「赤い光」にしか見えませんが、赤色光と赤外光が出ています。その2種類の光が血液を通ると、血液の酸素の含まれ具合によって通過してくる光の量がかわります。それを利用して、血液中の酸素濃度が求められるというわけです。

もう少し詳しく見てみると、下の図は、光の波長(横軸)と血液中のヘモグロビンが吸収する光の量(縦軸)を表したグラフです。

グラフはKONICA MINOLTAの「パルスオキシメータ知恵袋、SP02を読む話」より引用。

上のグラフ中の二本の線は、酸素と結びついたヘモグロビン(HbO2)と酸素と結びついていないヘモグロビン(Hb)を表しています。

上のグラフからは、酸素と結びついているヘモグロビン(長いので"へもおー"と呼びます)と酸素と結びついていないヘモグロビン(こちらは"へも"と呼びましょう)では、赤色光を吸収する量が違うことがわかります。

つまり、赤色光を血液に当ててみて、赤色光がよく吸収される=赤色光が通過してこない、ならば"へも"が多いということになります(上の図中の赤丸の比較)。一方、赤外光を当てて、光がよく吸収されて赤外光が通過してこなければ、今度は逆に"へもおー"が多いことになります(上の図中の青丸の比較)。

ということは、赤い光がどれくらい通過したかをはかるセンサーも必要です。上の写真にもそのセンサーがちゃんと見えていました。

ちゃんとはかるためには、光とセンサーの間に指がはさまってないといけないってことですね。つまり、

こうなってないといけないってこと。たまに、酸素濃度計の値がやけに低かったりした場合には、まずはちゃんと指が間に挟まっているかどうかを確認します。

光は血液以外にも通ってくるけど、それって影響しないの?

光とセンサーの間には血液だけでなく皮膚や爪などもあり、光はそこも通過します。光が通過する中で、唯一、短い時間の中で厚みが変化しているのが動脈血です。(血液は脈を打ってますよね、それが動脈血です。)

厚みが変わると、通過する光の量も変わります。なので、赤外光と赤色光の通過具合の時間的な変化だけを取り出すと、そこから動脈血中での酸素濃度がわかります。

つまり、動脈血が時間的に変化していることを利用して、動脈血中の酸素濃度をはかっていたんですねー。へえ~。

今回の入院は、親が夜も病院で寝泊まりするなど、付き添っていた私にとっても大変な生活でした・・。色々な意味で、今年の夏の一番の思い出です。

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