次に起こる「万が一」のために

まいどっ!

3年前は、枚方市役所 (リンクは削除されました)でケースワーカーをしておりました。
そして広報課へと異動後に転職、今に至ります。
まさか、3年経って自分がこんな仕事 (リンクは削除されました)をしていようとは...。

 

3年後は、一体何をしてるのかなぁ。

 

あ、どうも。
なんだかんだで地元・枚方が気になる男、ほんだです。

(V6の岡田くんと同郷です)
(市の広報にも岡田兄さんが!) (リンクは削除されました)

さて。
今年も3月11日を迎えました。

みなさんは、どのような気持ちで迎えられたのでしょうか。

東日本大震災から、
まだ3年、もう3年。
いろいろな想いのうずまく時間が流れました。

しかし、時間が経ったからこそ忘れてはならぬことがあります。

来年には阪神大震災からも20年を迎えます。
まだしっかりと、そのときの様子は脳裏に焼き付いております。

「もし、今、目の前で想定外のことがおこったら」

そのとき、策を考えている余裕なんて、あるでしょうか。


3年前、1人の自治体職員として経験した大震災。
大阪でも震度3を観測し、揺れが日本全土に響いた衝撃は記憶に深く刻まれています。

加えて。
学生時代に地学を専攻していた人間として、改めて自分には何が出来るかを考えさせられる出来事でもありました。

時は流れ。

立場が変わり、今は科学コミュニケーターとして活動しています。
「不測の事態が起こったとき、自分に何ができるのか」
より一層、この問いが自分に深く響いています。

未来館では、いったいどのような動きがあったのか。
これについては、

○ 震災直後から4カ月にわたり発信し続けた「Case 3.11」 (リンクは削除されました)
○ 参加型トークイベント「未来設計会議」のシリーズ3 (リンクは削除されました)

などにまとめられているので、今一度、ゆっくりご覧いただければと思います。

3年経ち、あのときに感じた「自分に何が出来るのか?」という感覚。
まだ持ち続けていますか?

未来館は、今も動いています。

スタッフが行う防災訓練に、東日本大震災での経験をしっかりと活かしているのです。

先月26日にも、未来館では開館前に全スタッフによる防災訓練が行われました。

館内の安全を確認しつつ、来館者(役)に的確な声かけを行う。
そして、各スタッフが連携を取りながら、指示のあった避難場所まで誘導する。

未来館では幾度となく、さまざまな災害を想定して訓練を行っています。
そして、スムーズにいった点や改善すべき点を、その都度洗い出していく作業を行っています。

3.11を経験したスタッフから、そのときには未来館にいなかったスタッフまで。
情報を共有しながら、常に意識をすることを心がけています。

そして! 今回初の試みも行われました。

それが、

「傷病人の海上搬送訓練」

です。

未来館のある、東京・お台場。
ここは陸路だと、トンネルや橋を通らないとたどり着けません。

もし、傷病人を搬送するときに、橋が封鎖されていたら。
もしトンネルが大渋滞で、まったく動けない状態になっていたら。

一刻を争う事態に、陸路だけでは不十分になります。

そこで。
今回の訓練では、海上保安庁 東京海上保安部の協力を得て、傷病人を海上から搬送する想定で、訓練を行いました。

未来館から東京湾岸警察署の奥にある船着き場まで、リヤカーで傷病人(役)を運びます。
※負傷者役は、同僚・科学コミュニケーターの長谷川

ほんだは頭に小型カメラをつけて、一部始終を記録します。
(さぼってません)

下り坂は、傷病人(役)にとっても不安が大きいので、気を付けます。
海上保安官の方にも合流していただきました。

ほんだの頭、小型カメラが重くてずれてきています。
(さぼってません)

今回、傷病人(役)をはこぶのは、「巡視艇 いそぎく」です。
乗船して、有明まで向かいます!

船へと移す際には、タイミングを合わせないと傷病人を落としてしまいかねません。
声を掛け合って、足下に気を付けながら船へと搬送します。

海上保安官の人にお手本を見せてもらいながら、見よう見まねで実践。

ほんだの背中には「訓練」という紙が貼ってあります。

そして、船で目的地側・有明の船着き場まで搬送。
船から降ろすまで、気を抜けません。

担架の角度や頻繁な声かけの必要性など、始めて実施したからこそ分かったことが多くありました。
例えば...

○傷病人にとってリアカーは、晴れだとまぶしく雨や雪だと濡れてしまう。
○リヤカー上にいる人はふんばれず、滑り落ちそう。固定した方がよいかも。
○船上ではエンジン音が大きく声が聞き取りにくいので、注意が必要。
○運ばれているときの声かけは、安心感を与えるのでとても大事。
○そして、なによりも乗船者の安全も考えて、救命胴衣の着用が大事。

あと、
○リヤカーは引っ張る人以外に持ち手や押す場所が無く、手助けしにくい。
なんてのもありました。

海上保安部としても、一般の方々が主体となって担架を上下船させる訓練の実施は初の試みであったとのこと。
今回の知見は、「万が一」の時に活かされることになります。

 

でも...

もしも、天候が違ったら。
もしも、温度や湿度が違ったら。
もしも、時間帯が違ったら。
もしも、性別や年齢が違ったら。

みなさんの周囲に「万が一」が起こったら、どうしますか?

 

起こる前だからこそ、ゆっくり話して考えてみてはいかがでしょうか。
また今度...では、間に合わないこともあります。

このブログをみた直後にでも!
忘れないうちに、ぜひ。
ぜひ、防災について考えませんか。

今回の訓練は、海上保安庁 東京海上保安部の方々のご協力あってのものでした。
訓練終了後、担当していてだいた警備救難課長の藤田さんからコメントをいただきました。

Q.一緒に訓練をしてみていかがでしたか?
A.「未来館職員の皆様ご自身で、担架にのせられた負傷者を巡視艇の船上へ乗せる作業は、一般の方々には普段馴染みのない揺れる船上での訓練でしたので、安全性を慎重に確認しながら訓練を進行する必要があり、海上保安官だけで実施する訓練と異なり、とても新鮮なものでした。」
 

Q.訓練で新たに感じたことはありますか?
A.「実際の災害時に万が一、上下船の手助けをする海上保安官を配置できない場合であっても、一般の方が安全に船へ乗り移れたり、重い荷物を船へ乗せられたりする作業の手順をあらかじめ決めておき、色々な機会を作って多くの方々に体験して頂く必要があるな、と感じました。」
 

Q.最後に何か一言、頂けますか。
A.「未来館職員の皆様とは引き続き青海地区関係機関の連携強化を目指し様々な訓練等を積み重ねて頂き、是非とも「海の災害ボランティアリーダー」のような存在になってもらえれば理想ですね。東京海上保安部にとっても非常に心強いパートナーになって頂けると思います!」

東京海上保安部のみなさま、本当に、ありがとうございました!!
今後とも、どうぞよろしくお願いします!

それと...

こんな時だからこそ、非常時に人を運べるリヤカーを考えて見ました。
こちら!

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