1等星のような光の点が突然現れ、
飛行機くらいのスピードですーっと空を横切っていきます。
正体は、国際宇宙ステーション(ISS)。
みなさんも少し不思議な光を眺めながら、
「若田さんはあそこで今、何をしているのかな」
なんて、思いを馳せてみるのはいかがでしょう。
ISSは宇宙でさまざまな実験や観測などを行うための有人施設。3月9日に日本人初の船長になった若田光一さんをはじめ、現在は6人の宇宙飛行士が滞在しています。大きさはサッカー場くらい。ちょうど良い方向から太陽光を浴びて反射する時に、地上から光り輝くように見えるのです。
ISSが見える日時の調べ方
見える日時や方角は「JAXA 「きぼう」を見よう」などで分かります。地上から400kmしか離れていないため、観測する場所によって見える方角は異なります。
関東周辺は近いうちで、4月5日(土)、6日(日)、8日(火)の日没後が観測のチャンス。西日本や北日本は7日(月)も見やすそうです。現在地に最も近い町を選んで調べてみてください。夜桜なんぞを見に行くついでに探してみてはいかがでしょう。
例えば、観測地を東京に設定するとこんな表が出てきます。日付をクリックすると地平座標表示が見られるので、どのあたりに現れてどっちに動いていくか、イメージしやすいことと思います。
光の点は時間通りに現れた
冒頭の写真を撮ったのは、小笠原で天の川を撮影していた3月12日。調べてみるとちょうど夜が明ける頃にISSが見えることが分かりました。慌てて天の川の撮影を切り上げ、ISSが出現する西の空が見渡せる場所を探しました。段取りが悪いのはいつものことで、港を見下ろす場所を見つけて構図を決めると、もうほとんど定刻でした。
西の空に光の点がフワリと現れました。
この日は条件が良かったのでしょう。
一気に、マイナス2等級の木星程度まで明るくなりました。
こちらの上空に近づくにつれて、見かけのスピードも上がっていきます。
そのままカメラのフレームを外れ、北の空へ向かっていきました。
写真は、空の明るさに合わせ、8秒露出で連続撮影しました。14枚を画像処理ソフトで重ね、約2分間の光跡をつなげたのが冒頭の写真です。撮影の合間ごと光跡が少しだけ途切れてしまいましたが、空の暗さを保ったまま、ISSと星の光を強調することができました。
夜空をゆっくりと動いていく明るい光は、眺めて撮っても不思議な魅力があります。みなさんも是非、探してみてください。