こんにちは、みどりの本田です。(もはやみどりの面影がない)
突然ですが!
男の子が粘土で剣を作っています。
もしもこの剣を振った時に、「シャッ!」と空を切るような感覚や、ライトセーバーのように「ブォーン」という感じがあったら...? さらにそれを自分たちで作り出せるとしたら...?
普通のおもちゃが何倍も楽しくなりますね!
こんな夢いっぱいのイベントを日本科学未来館3階に新規オープンした"おや?"っこひろば」で7月13日に行いました。
題して
「親子でつくるテクタイルおもちゃ!」
今回のイベントは、未来館の隣にある研究棟で、「さわれる情報環境」について考え続けている慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科准教授の南澤孝太先生にご協力いただきました!
先日2人目のお子さんが生まれたばかりのイクメン先生でもあります。
先生はもともとロボットがさわった感覚を、ロボットを操作している人間に伝える技術を研究していました。その技術を応用してできたのが「触感」を伝える装置「テクタイルツールキット」です。
まるで糸電話のようなテクタイル。そう、糸電話のように触感を感じ取る「マイク」のような部分とそれを復元する「スピーカー」のような部分があります。
たとえば上の写真だと、ビー玉が入っている方に「マイク」部分、何も入ってない紙コップに「スピーカー」部分がついています。これによって、手に持っている何も入っていない紙コップのなかでビー玉が動く感覚を感じてしまうのです。
たとえばこちらのお母さんとお子さん。現在開催中の企画展「トイレ?行っトイレ!」に行ってきた後ということもあり、トイレおもちゃを作ってくれています。トイレおもちゃにスピーカー部分をつけて、マイクのついた紙コップに石を2つ落として、細かい石をジャーッと入れると、まるでトイレのような感覚を作ることができました!(食事中の方、申し訳ありません。)
もう一つご紹介しましょう。
まるで水族館!たとえばこちらの写真の左上にタコがいます。そのタコにスピーカー部分をつけて、マイク部分にプニプニしたものをつけてポヨンポヨンと動かしてあげると、まるでタコが動いているような感覚が作り出せました!
いやー、このイベント自体を文字で書くのが難しいです!!
おっ!そうだっ!!
この技術が発展していけば、未来のイベント報告は、画面から触感を伝えることができるようになるかもしれまない!
題して
「さわれるブログ!」
そうなったら、我々はその場で起こったことを伝えやすくなりますね!(わくわく♪)
「南澤先生に提案してみよう!」っと。
そう、未来館ではこうやって気づいたことを研究者にすぐ伝えることができるんですね。とっても便利!
そして、このイベントは研究者にとっても重要なポイントがあります。
技術を研究している人たちは「研究室だけで開発していても、本当に使ってもらえるものにならない!広がっていかない!」と悩んでいます。南澤先生もそうでした。
上の写真は研究当初のロボットで触感を伝える装置です。うーん、たしかにこのままでは使いにくそうですね...
先生は、いろんな人に使ってもらえるようにテクタイルを使ったワークショップを、他業界の人に向けて実施してきました。初めて使う人にもわかりやすくするため、なるべくシンプルにしていった結果、「引き算のデザイン」をしていた、と語ってくれました。
研究者は次々に新しい機能を付け加える「足し算のデザイン」をしてしまいがちです。
でも使いやすい物は実はとってもシンプルなものかもしれません。
じゃあ、もっと幅広く使ってもらうためには?
たとえば子どもでも使えるものとは?
そんなわけで、新しいシンプルさを求めて、先生は現在、未来館で挑戦中!
今回のイベントを終えて、南澤先生は、「テクタイルは親も初めて体験する装置。お子さんと一緒に同じ目線で楽しめることで、親子がフラットに試行錯誤できる環境になっていた。」とおっしゃっていました。
なるほど!教える・教えられる関係ではなく、「フラット」な関係性。新しい体験は、そんな環境も提供してくれていたんですね。
さて、皆さんはどんなものづくりをしてみたいですか?期待していますか?
未来館に来れば、みなさんの思いを形にしてくれる研究者に会えるかもしれません。
夏休みにはこんな企画もあります。
"おや?"っこひろばでもまた継続的にイベントを開催していきますので、ぜひホームページをチェックしてくださいね。
それでは皆さん!引き続き楽しい夏休みを!!
<おためしサイセンタン!「親子でつくるテクタイルおもちゃ」開催概要>
開催日時:平成26年7月13日(日)
場所:日本科学未来館 3階 "おや?"っこひろば内
参加者数:14名(大人:7名、子ども:7名)