科学コミュニケーターと楽しむノーベル賞2020

【速報】物理学賞はブラックホールの研究で英独米の3博士

今年は物性の年だと思っていたのですが、ブラックホールが受賞対象研究でした。 英国オックスフォード大学のRoger Penrose博士、ドイツ・マックスプランク研究所のReinhard Genzel博士、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAndrea Ghez博士が受賞しました。ペンローズ博士は、“車椅子の天才”とも呼ばれた故・スティーブン・ホーキング博士とともにブラックホールの理論を研究していました。ゲンツェル博士、ゲッズ博士は長年にわたる観測から、間接的にブラックホールの存在を示した方です。

ペンローズ博士は、アインシュタインの一般相対性理論から、故ホーキング博士とともにブラックホールの存在を導きだしました。ですが、ブラックホールは光を発しないため、直接には観測することができません。ゲンツェル博士、ゲッズ博士は、天の川銀河の中心に近い星の軌道が、奇妙なスピードの変化を示すことに気づきました。その動きを説明するには、サイズが小さくて、非常に重たい「何か」の重力の影響を受けていると考えると、うまく説明できます。そのような天体はブラックホール以外にありません。間接的ではありますが、これがブラックホールの存在を証明することになりました。

詳しい解説をこのあと、今年の物理チームが書きますので、少々お待ちください。

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