2020年12月6日、小惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウのサンプルを地球へ持ち帰ってきました!
サンプルは既に日本に到着しており、これからのサンプル解析に期待が高まりますね!
はやぶさ2、リュウグウについては過去に科学コミュニケーター小熊が執筆した記事をご覧ください。
https://blog.miraikan.jst.go.jp/articles/201806252.html
太陽系がどのように形成されてきたか、また地球の水や有機物の起源を探るため、はやぶさ2はリュウグウのサンプルを持ち帰るというミッションに挑みました。そして、リュウグウ表面のサンプルを採取するだけでなく、人工クレーターを作成して地下のサンプルを採取することも成功しました!
未来館では、今回のはやぶさ2のカプセル帰還に関連したイベント「小惑星探査機はやぶさ2カプセル帰還イベント in Miraikan」を実施中です!このブログではそのうちの一つで、12月11日から公開予定の「はやぶさ2実物大模型から、ミッション成功の秘密を探れ!」の中からメインの展示となる、はやぶさ2実物大模型について少しだけご紹介したいと思います。
一足先に、はやぶさ2実物大模型を見に行ってきました!
展示予定のはやぶさ2実物大模型を見に、現在展示が行われている愛知県知多郡武豊町まで行ってきました!
武豊町には、日本の宇宙ロケットの固体推進剤を製造する企業があることから、地域の方々にとっても宇宙関連の話題は身近なのだとか。
そして、いよいよ模型とのご対面です!
はやぶさ2の全長は6m。だいたいマンションの2階までの高さと同じくらいの長さ。実物大を間近にすると、結構大きいです。
ちなみに、1回目のタッチダウンの際にはやぶさ2が着陸した場所も、直径6m。はやぶさ2本体がぴったりと収まってしまうほどの狭い領域。実際に着陸するのはサンプラーホーンだけとはいえ、本体のパドルなどがリュウグウの岩石にぶつかったりしたら大変です。ハラハラしましたが、なんと誤差1mという精度で着陸し、無事にリュウグウ表面の砂を採取することができました!
このタッチダウンにあたっては、降りたつ場所には2か所の候補があり、1か所は実際にタッチダウンを行った直径6mの場所。もう1か所は、直径12mの広い場所でした。さまざまな議論が重ねられた結果、直径6mの場所に降り立つこととなったわけですが、それには次の装置が関わっていました。
それは、ターゲットマーカです。
はやぶさ2がリュウグウに着陸してサンプルをとるときに、降りたつ場所の目印となるのがこのターゲットマーカ。はやぶさ2から発せられるフラッシュでターゲットマーカがピカッと光ることで目印となります。
1回目のタッチダウンでは、直径12mの広い場所にターゲットマーカを投下する予定でしたが、実際には少し離れた場所に落ちてしまいました。ターゲットマーカから近かったのが、実際にタッチダウンを行った、直径6mの場所だったのです。
ちなみに、実物大模型でのこのタイル状の模様も、1つ1つ手作りで再現されたそうです…!
そして再現されたのは見た目だけではなく…?
なんと!ターゲットマーカが光っています!
私のスマホでも撮影できたので、皆さんもきっときれいに撮れると思います。展示をご覧になるときはぜひフラッシュ撮影をしてみてください!
そして、タッチダウン時にサンプルを採取するのはサンプラーホーン。
サンプラーホーンがリュウグウ表面に接触すると、金属の弾丸が発射されて砂が舞い上がります。このときに舞い上がった砂を回収することでサンプルを採取しました。
はやぶさ2は今回のミッションで2回タッチダウンを行い、リュウグウ表面のサンプルと地下のサンプルの2つのサンプルを採取に挑みました。
そして、得られたサンプルは、再突入カプセルに格納されて12月6日に地球へ届けられました!
再突入カプセルの中には、全部で3つの部屋があって、今回得られた2か所からのサンプルはそれぞれ別の部屋に入れられて保管されています。当初は3回のタッチダウンを予定しており、3つの部屋を用意していたのですが、1回目のタッチダウンでサンプルが十分に採取できたため、3回目のタッチダウンは行わないこととなりました。
サンプルが地球に届けられるときには、再突入カプセル全体が切り離され、秒速12kmの速さで地球の大気に突入します。このとき、とてつもない高温(スペースシャトルの数十倍!初代はやぶさの本体は、再突入の熱で溶けてなくなってしまいました)になるのですが、カプセルはその熱でも溶けないように作られています。カプセルを切り離したはやぶさ2は、初代はやぶさとは異なり地球に戻らず、本体はそのまま次のミッションへと向かっています。
ここでは、はやぶさ2に搭載されている状態のカプセルの表面のみの写真になりますが、展示フロアには再突入カプセル本体の模型が個別でも展示される予定です。そちらもぜひご覧ください!
はやぶさ2に搭載されている装置、皆さんはどの装置が気になりますか?
他にも気になる装置がたくさんあると思うのですが、今回はここまでとさせていただき、続きはぜひ未来館でご覧ください!
「小惑星探査機はやぶさ2カプセル帰還イベント in Miraikan」を楽しもう!
今回は、はやぶさ2の実物大模型についてご紹介してきましたが、模型が展示されるフロアの見どころはこれだけではありません。
模型の展示以外にも臨場感あふれる管制室の様子をまとめた動画が放映されていたり、JAXA提供のはやぶさ2のミッションについて記載されているパネルの展示も設置されていたりします!ぜひ、会場全体を楽しみながら、はやぶさ2のミッションや小惑星探査について一緒に考えてみましょう。
そして、「小惑星探査機はやぶさ2カプセル帰還イベント in Miraikan」では、5階のコ・スタジオで科学コミュニケーターがはやぶさ2に関するミニトークを毎日行っています。また、12月26日には、はやぶさ2のミッションに携わった研究者2名をお呼びしてオンライントークイベント(要事前予約)を実施します!
また、これら一連のイベントや展示は、おうちでもお楽しみいただけるように、随時オンライン配信をしていきます!未来館への来館が難しい方でも、トークイベントに参加できない方でも、未来館で見てきたけどもう一度楽しみたい方でも、誰でもお楽しみいただけますのでこちらもぜひご覧ください!
「小惑星探査機はやぶさ2カプセル帰還イベント in Miraikan」の詳細は、以下のイベントページをご覧ください。
https://www.miraikan.jst.go.jp/events/202012271680.html
12月は「はやぶさ2」で盛り上がりましょう!
未来館でお待ちしております!
【謝辞】
はやぶさ2実物大模型の展示にあたり、はやぶさ2実物大模型及び個別の機器の模型をご提供いただきました、特定非営利活動法人ギガスターの間瀬康文様にこの場を借りて深く御礼申し上げます。