こんにちは。科学コミュニケーターの綾塚です。
現在、日本科学未来館では、展示場での活動だけでなく、オンラインでの活動も幅広く行っています。その一つとして、ニコニコ生放送「わかんないよね新型コロナ」を放送しております。
この記事では私が担当した2月10日(水)放送回の内容を紹介します。
放送の中では、視聴者の皆さまからいただいた質問にお答えする形式で進めました。この記事ではその中から話題を一つピックアップしました。その他のご質問についても文末にリストアップしたので、ぜひ番組アーカイブをご覧ください。
●ご質問
感染力が高くなった!というニュースに関して「こまめに手洗い・マスク・換気・ソーシャルディスタンス」以外に気を付ける点はありますか?
●お答え
「感染力が高くなった!」というのはおそらく、ウイルスの変異に関連した話ですね。まず結論として、現時点における基本的な対策はこれまでと変わりません。
こうした情報が出たときは慌てず、「感染性が高くなった」とは具体的に何を示しているのかをたどります。
情報源には、厚生労働省や国立感染症研究所など、出所がしっかりしたところを選びます。さらに、そうしたサイトに具体的な論文のリンクが貼られている場合は、それを当たるとなお良いですね。
そうした情報源によると、感染した人が別の人にうつす人数が多くなっている、ということが言われていました。過去に感染した人の行動をたどり、今までのウイルスと変異ウイルスそれぞれの感染が拡大するスピードを比較したのですね。
他にも、ウイルスの変異によって、今までのウイルスよりも細胞に侵入しやすくなっている可能性が報告されています。こうした情報を合わせて考えると、これまでの対策は基本的に変えなくてよいことがわかります。つまり、今回の変異は、アルコールが効かなくなったとか、ウイルスがマスクを通過しやすくなったとか、対策を根本的に変えなければならなくなるようなものではありません。
過度な対策は長続きしません。対策を厳しくするには、ちゃんとそれに見合う根拠が必要です。新しい情報が出てきたときは、慌てず様子を見るのも大切です。これまで通り、状況に合わせた無理のない対策を続けていきましょう。
また、当番組では皆さまからのご質問をTwitter、Slido.にて随時募集中です。なるべくたくさんのご質問を番組で取り上げたいと思いますので、ぜひご投稿ください。
放送でお答えしたその他の質問をリストアップします。
ぜひ、放送内容アーカイブもご覧ください。
Q. うがいは感染防止に有効?(3:05)
Q. 鼻マスク、会話なしでも誰かに感染させる可能性は?(6:00)
Q. 唾液を用いたPCR検査の精度は?(11:13)
Q. コロナ専門病院、他科の医師もコロナ診療に?(17:33)
Q. 感染症対策の専門家ってどんな人?日本には少ない?(19:43)
Q. 感染力が高くなったら対策は変わる?変異ウイルスやマスクの素材の話(23:24)
Q. RNAワクチン、既存のものとの違い、特徴は?(31:16)
Q. 夜から昼へ行動をシフトさせることは効果ある?(34:25)