科学コミュニケーターと楽しむノーベル賞2021

今年もやります!ノーベル賞イベント

2021年ノーベル賞に関するオンラインイベントの告知です!日本科学未来館では、生理学・医学賞、物理学賞、化学賞の自然科学系3賞を取り上げます。受賞者発表に合わせ、注目が集まる研究の紹介や受賞研究の速報解説をオンラインで行います。

このイベントの魅力は、ノーベル賞受賞研究の内容をわかりやすくお伝えすることだけではありません。研究の裏側にある失敗やそれを乗り越えた物語、その研究分野の歴史なども合わせてお伝えするのが大きなポイントです。

ここで、1958年にノーベル生理学・医学賞を受賞したジョージ・ウェルズ・ビードル氏の言葉を紹介しましょう。

「もし科学を生み出してきた人々が、科学論文を書いている時のように論理的かつ感情を混じりこませず報告するのではなく、本当はどんなことが起こっていたのか伝えるなら、科学は今よりももっと面白いものになるのに、と私はよく思ったものだ」

ノーベル賞はこうして決まる 選考者が語る自然科学三賞の真実(2011p.98
著者:アーリング・ノルビ 訳者:千葉喜久枝 発行所:創元社

ビードル氏は1940年代、仲間とともに「一遺伝子一酵素仮説」を提唱したことで有名です。遺伝子が酵素(タンパク質)の合成に深く関わっているという事実は、今では教科書に載っている当たり前なことのように思えます。しかし当時は、遺伝子の存在や役割については謎が多く、研究手法もまだ確立されていない時代でした(ワトソンとクリックがDNAに関する論文を発表したのが1953年)。仮説に対してしばらく懐疑的な目が向けられ続けました。ビードル氏は新しい仮説について議論を交わすため、数多くの講演を行ったと言われています。その後研究が進み、ビードル氏の仮説は徐々に受け入れられるようになっていきました。

研究は、論理的で客観的である一方、どこか無機質なものに見えがちです。一方その裏には、当時の時代背景の中、研究者の泥臭い活動や偶然の出会いなど、研究者の人生をかけたドラマがあります。こうしたドラマを知ってこそ、研究の真のすごさや面白さに気づけるのではないでしょうか。

番組では、視聴者の皆さまと一緒になってノーベル賞を楽しんでいけるような内容を目指します!多様なバックグラウンドを持った科学コミュニケーターと一緒にノーベル賞を楽しみましょう!

放送日時

●ノーベル生理学・医学賞
10月4日(月)17:30~19:00
番組視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv333364180
※ノーベル賞受賞者発表のオンライン中継と速報解説は18:45スタート予定

●ノーベル物理学賞
10月5日(火) 17:30~19:00
番組視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv333369196
※ノーベル賞受賞者発表のオンライン中継と速報解説は18:30スタート予定

●ノーベル化学賞
10月6日(水)17:30~19:00
番組視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv333369217
※ノーベル賞受賞者発表のオンライン中継と速報解説は18:30スタート予定

科学コミュニケーターの紹介

●生理学・医学賞チーム
竹下 あすか
片岡 万柚子

左から、竹下、片岡

●物理学賞チーム
太田 努
上田 羊介

左から、太田、上田

●化学賞チーム
竹腰 麻由
廣瀬 晶久

左から、竹腰、廣瀬

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