「未来の食のかたち」はどうなっていくのでしょうか? いま話題の昆虫食をひとつの題材に、日本科学未来館では5月から、展示フロアにあるオピニオンバンクという端末を利用して来館者のみなさんにご意見をうかがいました。今回は、この1か月に集まったご意見をご紹介します。
昆虫食とは?
昆虫食とはいいますが、コオロギやバッタなどの昆虫だけではなく、足が6本ではないクモなども含む虫を食べることをいいます。世界人口が増えるなか、タンパク質の確保が大きな課題となっています。タンパク質は、お肉や魚介類、大豆、卵などからとることができます。その中で、食材としての虫は、主要なタンパク源となるお肉と比べて効率的に、環境への影響をおさえて育てられることなどから研究者や国際機関などから注目されるようになりました。地域によっては昔から食べられてきましたが、食べたことがない人にとって抵抗感が強いのも事実です。
そこで、科学や社会にまつわる問題にアンケート形式で意見を発信するコーナー「オピニオンバンク」を利用して、昆虫食に関する来館者の皆さんのご意見をうかがいました。
内容は、① 「昆虫食を食べたい? 食べたくない?」、②「その理由やご意見を教えてください!」というかたちで、5月11日から6月10日までの1か月に913件の回答をいただきました!
結果報告!
その結果をまとめると、
①「昆虫食を食べたい?食べたくない? 」という質問では、食べたい:32.0%、食べたくない:58.9%、その他:9.1%となりました。
②「その理由やご意見を教えてください!」では、さまざまなご意見をいただきました。
その中でも、やはり、といいますか、虫やその見た目が苦手で食べたくないという回答が多くみられました。ただ一方で、興味がある、気になるから食べてみたいというご意見も多数あり、昆虫食に対する考え方は、人それぞれで異なるようです。
さらに、味や健康面が気になるというご意見もいくつかみられました。
味については、「苦そう」「おいしくなさそう」という考えから食べたくないというご意見や、「おいしそう」「味がよければ食べてみたい」というご意見がありました。
健康面については、「栄養素がたくさんあると聞いたので、ぜひ食べてみたい」というご意見や、「アレルギーが心配だから食べたくない」というご意見、さらに「イナゴや蜂の子など昔から食べられていた昆虫以外は健康被害が心配」「ばい菌怖い」など衛生面を気にされるご意見がみられました。
その他いただいいたご意見について、科学コミュニケーター片岡が興味深いと思ったものをいくつかご紹介します(一部要約・抜粋しています)。
- 今まで鑑賞用だったりした昆虫が食になるなど新しい価値がつくのはとても面白い。自分は食べたい
- 進んで食べたくはないけど、食べられるかと聞かれたら食べられる。だけどそのままは無理。粉末にする技術などを向上してほしい
- 昆虫食よりも、廃棄に追い込まれている酪農を補助するとか、排他的経済水域の警備強化で漁業を守るなどで、タンパク源を確保するほうがいい
- 小さい頃から食べていたら抵抗はなかったと思うが、そもそも見た目的にも虫が苦手だし、不潔なイメージがある。虫だといわれずに、かつ完全に人工飼育されたものなら食べられるかもしれない。あとは、大飢饉などでどうしても他にも食べられるものがなくなったら食べられるかも?
まだまだアンケート実施中!
さまざまなご意見がありがとうございます! まだまだ未来館オピニオンバンクにてご意見お待ちしています。
集まったご意見は随時科学コミュニケーターブログにて発信していきます。